テレワークの成功ポイント②
コミュニケーション

第8回:テレワークのためのコミュニケーション環境

テレワークで働く従業員が増えると、チームで仕事をする場合でもメンバー同士は離れた場所でコミュニケーションをとる必要が出てきます。テレワーク導入後のコミュニケーションで意識したいことや工夫を紹介します。

チームで行う仕事をテレワークでスムーズに進めるコツは?

――テレワークが本格導入されると、上司と部下だけでなく、同僚間のコミュニケーションも今までとは変わってくるのではないかと予想されます。スムーズに仕事を進めるために、テレワークならではのコミュニケーションを工夫した方がよいのでしょうか?

そうですね。特にチームで行うプロジェクトなどでは、テレワークによってメンバー同士が離れた場所で働く時間が増えるため、実際に顔を合わせるチームミーティングの機会を意図的につくる必要があります。月1回や週1回などサイクルを決めて、定期的に集まりコミュニケーションをとるルールを設定しましょう。

――チームミーティングでは、業務の進捗報告以外にどんな話をしたらよいでしょうか?

テレワークで働くメンバーがいて対面の機会が限られているからこそ、ミーティングで何を話すかは重要です。仕事の大まかな進捗報告などはメールなどでもできるので、悩みの共有や困りごとの相談など、顔を合わせられる場ならではの話し合いをしたいものです。また、テレワーク体制の下では、仕事で困っていることがなくても定期的に集まってフランクなコミュニケーションをとることで、チーム間の連携を高めていくことも大切です。

――ミーティングは会議室で行うのですか?

会議室でも構いませんが、社員食堂やオフィスラウンジを使ってコミュニケーションをとってもよいでしょう。チームで気軽なコミュニケーションがとれるエリアが社内にないなら、テレワーク導入の機会に新設するのもお勧めです。

メンバー間のコミュニケーションはどんな手段で行えばよい?

――チームミーティングは対面で行うのが理想ですが、テレワークで働くメンバーが多く、全員が集まるのが難しいときはどうすればよいですか?

テレビ会議システムやWEB会議システムを利用してミーティングを行います。全員が集まれないからといってミーティングを延期するのではなく、ITツールを活用して連携をとり、テレワーク体制の下でもメンバーがバラバラにならないことを心がけましょう。

――テレビ会議システム以外で、テレワークで働くメンバー同士のコミュニケーションに役立つITツールはありますか?

上司と部下のコミュニケーションと同じく社内SNSやチャットを活用すれば、テレワーク中でもちょっとしたコミュニケーションが取りやすくなります。またテレビ会議でも、画面を共有したり各メンバーがリアルタイムに書き込みをしたりしながら内容を詰めていける機能を備えている場合もあります。テレワークを利用するメンバーがいてもチームの仕事が滞らないよう、業務内容に合わせて必要なツールや機能を選び、IT環境を整える必要があります。

チーム間のコミュニケーションを滞らせないためには?

――テレワークで働く日程は、上司だけでなくチームメンバーにも共有した方がよいでしょうか?

そうですね。事前にテレワークで働く日程を共有しておけば、「金曜日はメンバーがテレワークでオフィスにいないから、込み入った相談は木曜までに済ませよう」などと先を見通してコミュニケーションをとることができます。

――従業員がテレワークを行うときは、マネージャーとチームメンバーに事前申告すればよいですか?

テレワークの導入初期段階では、事前申告の形をとる企業が多いですね。社内にテレワーク利用者が多い企業では、「テレワークで働くことをスケジュール管理アプリに入れておけば、事前申請は必要なし」としているケースもあります。いずれにしても大切なのは、テレワークで働くメンバーがいるからといってチームや部署間でのコミュニケーションが滞らないよう、体制づくりをしておくことです。「誰が・いつテレワークをしているか」を誰もが把握できるよう、運用ルールを決めて共有しておきましょう。

このコラムのまとめ
  • テレワークで働くメンバーがいるチームは定期的にミーティングを設け、対面だからこそできる相談や悩みの共有を行う。
  • 社内SNSやチャットを活用し、離れた場所にいても気軽にコミュニケーションが取れる環境をつくる。テレビ会議システムを利用する場合は、共有したい内容に応じた機能を選ぶ。
  • テレワークを行うときの申告ルールを社内で共有し、コミュニケーションが滞らないようにする。
吉田大地(Yoshida Daichi)

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部/ワークスタイルイノベーション部/ワークスタイルコンサルタント
ITコンサルタントとして、ITをベースに複数のクライアント企業の課題解決を手掛ける。現在はワークスタイルコンサルタントとして、空間、働き方の両面から、働く人1人ひとりの感性を刺激し、創造性を発揮するオフィス環境の構築を支援中。働く人の能力を発揮させ、互いの知識・情報を共有し、交流を活性化させるオフィス環境の実現をサポート。

2019.12.16
作成/コクヨ

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