HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典 「錆びつき症候群」
「錆びつき症候群」とは、やる気があっても刺激や新しい挑戦がない、実力や能力が十分に活かせない、存在価値が感じられないといった環境や状態によって退屈さを感じ、次第に興味ややる気が失われていき、無関心な状態になることを指します。
「錆びつき」、「ラストアウト(Rust out)」、「無関心化」などとも呼ばれることもあります。
錆びつき症候群は、オフィスや学校、家庭での人間関係、スポーツや芸術分野など、場面や業種・職種を問わず様々なところで発生します。
オフィスやワークシーンで発生した場合、モチベーションが下がり仕事の生産性が低下するだけでなく、本人の精神の健康状態にも大きな影響を及ぼします。結果的に、静かな退職や欠勤、最終的には離職に至ることもあります。
似た言葉として、「バーンアウト(燃え尽き症候群)」があります。バーンアウトは、仕事に没頭し心身共に消耗して無気力になることを指し、比較的症状に気づきやすいとされます。
一方で、錆びつき症候群は実力が発揮できない状態が続き、日常の中で少しずつ進行するため目立ちにくく、対処が難しいのが特徴です。そのため、症状が進行すると疎外感や閉塞感、空虚感に襲われ、うつ状態になってしまう恐れもあります。
■錆びつき症候群の症状
・仕事や特定の人物などから気持ちが離れる
・何事にも興味や目的意識を失う
・認められていると感じられない
・無気力な状態が続き、向上心がわかない
・何をしても満たされない、やりがいを感じられない、おもしろくない
■錆びつき症候群の要因
・個性や創造性を抑制される
・実力を思うように発揮できない
・周囲からの評価・期待が低い
・本人にとって簡単で単純な業務が続く
・自尊心が傷つけられる
錆びつき症候群は、業務と適性のミスマッチにより発生することもあり、企業や組織は、人事異動やジョブローテーションの際には細心の注意が必要です。日常的に行っている業務もうまくまわっているからと任せっきりにせず、違和感を持っていないかなど、1on1ミーティングなどで聞き出すことも有効でしょう。また、本人は日頃からキャリアパスを明確にしておくことで、意向と異なる状態に陥った際に自分はどうありたいのかを組織と話し合うことができ、レジリエンスを高めることにつながるでしょう。
それ以外にも、何かに没頭でき、やりがいや喜びを感じられるものを探すと良いでしょう。繰り返しの業務で刺激がなく退屈さを感じるのであれば、ジョブクラフティングを取り入れ、いつもと違うやり方や異なる人物とペアを組むなど、同じ状態にならない環境や仕組み作りも予防に有効と言えます。
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