HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典 「静かな休暇」
「静かな休暇」とは、働いているふりをしながら、休暇申請なしに勝手に休暇や休息を取ることを言います。英語で「Quiet Vacationing」と言い、近年アメリカで新しいトレンドとして広がっています。
例えば、オフィスには出勤せず、家や別の場所で電話やメールの対応をしたり、メッセンジャーのログイン状態を維持したり、勤務しているように見せかけの行動を取ります。
2024年にアメリカの世論調査会社ハリス・ポールが会社員を対象に調査を行ったところ、「上司に報告せず仕事を休んだことがある」という回答のうち、ミレニアル世代が37%、X世代とZ世代はそれぞれ24%に及びました。
・休暇への不安感
休暇取得による昇給や昇進などのキャリアの妨げや否定的な評価への影響に加え、過度な業務量に対する負担など、休暇に対するネガティブな印象を持っている会社員が多い。
・休暇中の業務指示によるストレス
休暇中で勤務時間以外にも関わらず、メールや電話の対応など、仕事せざるを得ない状況からのストレスにより、内緒で休む人が増えている。
・リモートワークの余波
コロナ禍により働き方が多様化し、リモートワークが浸透したことでプライベートと仕事の切り替えがうまくできず、仕事に集中できない状況に陥ることもある。
似た言葉として、「静かな退職」(まるで退職したかのように、求められる最低限の仕事だけをこなす働き方)があります。ともに、業務とプライベートを線引きし、精神的な余裕を持ってワーク・ライフ・バランスを大切に考えることが特徴です。
明確な相違点として、静かな休暇は、実際には休暇届を出していないため、仕事中という扱いになります。そのため、ばれないように気にしたりすることで、仕事とプライベートの両者が中途半端になる恐れがあります。
静かな休暇は、休暇の取りにくさや過度な業務量、上司や会社への信頼の欠如など、会社への不満やあきらめ現れともとることができ、放置すると離職へつながる可能性もあります。
また静かな休暇が発生することで他のメンバーに負荷がかかり、その連鎖がチーム全体に広れば、組織が機能停止に陥ることもあり得ます。予防と解決のためには、対応を現場任せにせず、マネジメント層が組織内の状態、仕事量の調整、メンバー間の関係性などを把握し、積極的な介入が必要でしょう。
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