HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典 「ノーレイティング」
「ノーレイティング」とは、上司と部下が1on1ミーティングなどの面談を頻繁に行い、その過程で人事評価を行う評価方法です。AやBといったランク付けや社員間の相対評価をせず、タイムリーなフィードバックで目標設定や進捗確認をしながら、絶対評価での人事評価を行う点が特徴です。
従来主流とされている人事評価では、年度末や半期末に社員の実績を判断し、ランク付けする評価制度「レイティング」で、昇進や給料、賞与などを査定します。働き方や価値観の変化などを背景に、近年はアメリカを中心に「ノーレイティング」を導入する企業が増えています。
・ビジネス環境や対応スピードの変化
‐変化の大きい環境において、年に1~2回のフィードバックタイミングでは迅速で柔軟な対応や評価が難しく、社員・事業の成長につなげにくい
‐期初設定した課題や目標が、期中や期末には状況が変わり認識にズレが生じることがある
・評価基準への不満
‐相対評価であることから、結果に対する不満や不公平感を持ちやすい
‐過去の実績や働きぶりが評価されるため、現在のスキルが評価されない
・人材育成を促進
1対1でこまめに対話するため、社員の特性や能力を把握し、個々にあった改善点やビジネスプランを提示し、社員の成長をサポートすることができる
・評価への納得感の向上
頻繁に面談を行うことで、コミュニケーションが活性化し信頼関係を築くことができるため、評価への納得感が高まる
・モチベーションの向上
リアルタイムに自分の成長や改善点を確認できることから、仕事へのモチベーションが高まり、生産性向上につながりやすい
・状況への柔軟な対応
高頻度な目標設定の機会を設けることにより、迅速かつ臨機応変に軌道修正できるようになる
・上司のマネジメント力
社員が納得する適切な評価を下すには、高度な判断力や観察力、マネジメント力が必要となる
・上司への負担の増大
複数の社員と面談を行うため、時間的・精神的に負担がかかるだけでなく、給与や昇格など査定決定する裁量も大きくな、上司の負担が増大する
ノーレイティングの要はコミュニケーションです。オフィス内に会話しやすいコミュニケーションスペースを設けたり、業務外の話題でも話しやすい雰囲気や環境を作り、上司・部下それぞれが信頼関係を構築する努力も欠かせません。
また、導入にあたっては、自社の社風や業務、勤務形態にマッチするかなど、慎重な判断と準備が必要です。上司だけでなく部下にも研修や説明会を実施し、適切なフォロー体制を整えるなど、状況に応じた運用ができるように、場合によっては評価制度全体での見直しも効果的と言えます。
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