リサーチ
2016.04.06
いま求められる"攻めのIT"を担える人材
ITがダイレクトに売り上げの拡大に貢献する時代に備える
日本の企業におけるIT部門に求められているのは、「業務の合理化」「システム環境の整備」といった“守り”の投資が主流だ。つまり、コストダウンなどは実現できるが、その業務自体が利益を積極的に生むわけではない業務だ。
しかし、「モノのインターネット」(IoT:Internet of Things)や「機械間通信」(M2M:Machine-to-Machine)などに代表されるビッグデータの活用事例が急激に増える中、“攻めのIT”へのシフトが求められるようになっている。
これを裏づけるのが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「IT人材白書2015」における「IT利活用についてユーザー企業IT部門に期待されていると感じている役割」だ。
現在、求められている役割は、やはり従来通り「業務の合理化・省力化等への寄与(73.1%)」「業務・システムの全体最適化(61.3%)」といった“守りのIT”のままだ。
しかし、注目したいのは「今後求められる役割」と回答した割合と「現状求められている」と回答した割合の差となる「DI」値だ。「DI」値の差が大きければ大きいほど、「現状よりも今後ニーズの高くなる業務」ということになる。
DI値の上位には、「新たな事業やサービスを生み出すための支援(DI値=22.5)」「業務プロセスの変革(同12.8)」「現行ビジネスの拡大/拡充の支援(同9.7)」がランキングされている。「新事業を生み出すための支援」「現行ビジネスを拡大するための支援」とも、IT部門が売り上げ拡大のために積極的に関わる期待の表れだ。
この期待に応えるためには、「ビジネススキル」だけでなく基礎的な「ITスキル」「データ分析スキル」をバランスよく身につけることで求められるようになる。IoTやM2Mにより爆発的に増えたデータを“自社のビジネスに活かせる人材”が、いま企業には求められているのだ。