ロジカルシンキング

2016.05.12

あなたの話、ヌケてます! モレてます!

ロジカルシンキング4:ミーシーで上司に指摘されない話をつくる

理由のダブリ・ヌケモレを
確認するミーシーという考え方

「おい、この資料、競合の状況が調べられていないぞ!」「たしかに機能の話はよくわかったけど、デザイン面や実績面で考えるとどうなるのかがよくわからないな」。上司からこのような指摘を受けたことはないでしょうか。

論理的に話すとき、説明の根拠・理由の中に「ダブリ」や「ヌケモレ」があってはいけません。それではどうすればいいのかというと、ミーシー(MECE:Mutually Exclusive Collectively Exhaustive、相互に重複がなく、全体として漏れがないこと)という概念を使うといいでしょう。カタカナワードは、なんだか難しく聞こえるかもしれませんが、つぎの例のように、普段でも何気なく使っているミーシーもたくさんあります。


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話の全体像をつかむには、この分類が必要です。では、分類を使って、内容に「ダブリ」や「ヌケモレ」がないか確認してみましょう。たとえば「質と量」について話す場合は...。

「(結論)彼の仕事はすばらしいです」
「(理由1)質の面では、高い顧客満足度を維持しています」
「(理由2)量の面でも、部門全体の約4割を稼いでいます」

この言い方なら普段から使いますし、「質と量」について重複や漏れがなく伝えることができていますよね? 顧客満足度やクオリティばかりでは「質」が重複していることになり、「質と量」のどちらかが欠けている場合は漏れがあることになります。これをチェックすることが、「ダブリ」と「ヌケモレ」をなくす、ミーシーという考え方です。



下地 寛也(Shimoji Kanya)


コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)



イラスト/フクイヒロシ