コミュニケーション
2016.06.21
伝わるコミュニケーションは、「論点」→「結論」→「理由」の順で話す
コミュニケーション4:伝えるためには、相手の立場で考える
3つのポイントを押さえて
「伝える」スキルを磨く
ビジネスのコミュニケーションの場面では「伝える」スキルが求められます。上司への報告・連絡・相談、他部署への説明や交渉、会議での発表や発言、クライアントへの提案など、どれも「伝える」という行為の応用形です。
自分が伝えたいことを相手にうまく伝えるためのポイントは3つ。「論点」→「結論」→「理由」の順で話すことです。これを意識するだけで、あなたの話は格段にわかりやすく、説得力のあるものとなるはずです。
「論点」→「結論」→
「理由」の順で話す
まずは「何について話すか(論点)」を述べ、次に「自分が最も言いたいこと(結論)」を言い、最後に「なぜそう考えるのか(理由)」で締めくくります。
論点:何について話すか
結論:自分が最も言いたいこと
理由:なぜそう考えるのか
話の出だしで、「~について、結論から言うと…」と言う習慣をつけましょう。また、理由についても、「理由は3つあります」のように最初に理由の数を挙げます。そうすれば、相手は「3つあるのだな」と意識して聞くことができ、話がスムーズに頭に入ります。
「相手が聞きたいことは何か」
を考える
ビジネスのコミュニケーションの場面では、つい「自分が伝えたいこと」に熱が入りがちですが、視点を変え、「相手は何を聞きたいのか」に軸を据えてみましょう。
例えば、上司への報告であれば、自分がいかに努力したかをアピールするのではなく、納期はどうか、コストはどうかと、上司が知りたい情報を伝える必要があります。
また、相手の状況を考慮し、「何について報告するのか(論点)/どれくらいの時間がほしいか(所要時間)」という概要を最初に示すことも重要です。自分本位ではなく、相手の立場で考えることが、「伝え上手」の鉄則なのです。
伝える内容は「大分類」
「中分類」「小分類」に分けておく
話をする前に、伝える内容を整理しておきましょう。ただ箇条書きにするのではなく、大分類・中分類・小分類と3段階程度に分けておき、構造化します。ツリー構造で書き出しておくのがおすすめです。話す際は、大分類(ダイジェスト)から話し始め、必要に応じて中分類、小分類と詳細を伝えるようにします。持ち時間によってどこまで話すかを調整し、話し切れない部分は資料にまとめて渡すのもいいでしょう。
多くのビジネスパーソンにとって、伝える相手として最も多いのが、上司です。上司は部下からの報告により、それぞれが抱える仕事の現状を把握し、トラブルを未然に防ぐと同時に、次の仕事を誰に振るかも決めています。報告の前に上記の3つのポイントを意識して、紙に自分が言いたいことを書き出し、整理してみましょう。それだけでも時間短縮やわかりやすい話ができるようになるものです。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)