会議
2016.06.08
効率的な会議の進め方
会議4:決め手は「会議の地図」を書くこと
効率的な会議では
議題を確認し参加者全員で共有する
会議に参加していて、「このダラダラした雰囲気いつまで続くんだろう...。そういえば今日の会議は何のために集まっているんだっけ?」なんてことを思うことはないでしょうか。
そんなときにちょっと考えてほしいのですが、会議の冒頭で、議論すべきポイントがいくつあり、何時に終了するのかを参加者と共有しているでしょうか。
これらを確認せずに、いきなりスタートしてしまう会議は少なくありません。このような場合、会議の終了時間が見えないだけでなく、その場で報告したいテーマを持っている人は「果たして、自分の発表時間はとれるのだろうか」と、ソワソワしながらタイミングを待つことになってしまいます。
それを避けるためにまず、「話すべき議題がいくつあるか」と「各議題をどのぐらいの時間配分で進めるか」について、全員で理解してから会議をスタートするようにしてみましょう。言ってみれば「会議の地図」を示すのです。今日の会議という「旅」を、どのような道筋で進むのか全員で共有ということです。
「会議の地図」を書き
進捗を可視化する
では「会議の地図」は、どのように書けばよいのでしょうか。
まずは、ホワイトボードの左端でいいので、今日会議の開始時間と終了時間を記載しましょう。「今日の会議は13:00~14:30の90分ですね」と書きながら声に出すだけで参加者に時間の意識を植えつけることができます。
そして、この会議が、ディスカッション中心の「創造会議」なのか、または報告や調整がメインとなる「定形会議」なのか、会議の目的を明確にしましょう。「えっと、今日は来月ある展示会のイベント企画会議つまりディスカッションが中心ですね」と、主目的を明示していきます。
ここから議題を拾い上げます。「どのような議題がありますか」と参加者に確認しつつ、自分でも準備していた議題を書き出していきましょう。「私の方からは、『前回の展示会の反省点の確認』と『今回の展示会のコンセプトの議論』、あと、『大まかなスケジュールと役割分担』を決めたいです。他に取り上げる議題があれば言ってください」という感じで拾い出していきます。
議題が出尽くしたら、各議題に何分必要と思うかを参加者と相談して決めましょう。必要な時間を合計すると会議時間をオーバーしてしまうこともあると思いますので、調整して会議の時間内に収めてください。
最後に、議題の順番を決めます。必ずこの会議でしなければいけない議題は必然的に優先順位が高くなりますが、スタートから重たい議題だと、参加者が疲れてしまいます。一番最初の議題は軽めのものがいいかもしれません。
これらをホワイトボードに書き出していくと、会議の地図の完成です。この地図を提示するだけで参加者の気分は落ち着きます。またホワイトボードに議題を書きだすメリットとして、終わった議題から順に線を引いて消していけるということがあります。こうすることで会議が進んでいるという雰囲気がメンバーの中で共有され、「いつまで続くのだろう」と気をもむことも少なくなります。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)