思考力
2016.07.25
仕事が速い人は、上司・同僚とも良い関係
スピード思考術5:コミュニケーション次第で、仕事は速くなる
自分で抱え込むより、常に上司に相談しよう
仕事の速い人は、ただ仕事のスピードが速いだけではありません。上司としっかりコミュニケーションをとることで、うまく仕事を進めているのです。
ではコミュニケーションにおいてどのような点に注意しておけばいいのでしょうか。
たとえば、上司から仕事を依頼された場合、締切までに上司との相談が何回ぐらい必要か、最初の時点で日時を全て決めておきましょう。1回目の相談日だけ決める人もいますが、通常、上司のほうが忙しいものです。いざというときに、上司の時間がとれず、予定が遅れてしまうことになりかねません。予定が変わったり、打合をスキップするかもしれませんが仮の日付だけ決めておけば、時間もつくってもらいやすくなります。
事前の相談は、依頼された仕事に対する方向性の違いや時間のロスをなくします。また、報告することで上司を安心させ、信頼関係を維持することにも役立ちます。「途中段階での指示が増えるのは面倒だなぁ」と思いがちですが、報告をしないで最終的にやり直しになるほうが面倒です。
助けてくれる人を、周りにつくろう
いくら仕事が速い人でも、たくさんの仕事を抱えれば、キャパシティーをオーバーしてしまいます。でも彼らは、自分の周りに助けてくれる人をつくることで、どんなに仕事が多くても、スムーズに進めているものです。
では、周りの人にいざという時に助けてもらえる関係をつくるにはどうすればいいのでしょうか?
やはり人間関係はギブアンドテイク、誰でも協力してくれる人には手を貸してくれます。特に後輩には積極的に手を貸し、他部署の人でも困っているようであれば協力してあげましょう。
心理学用語で「好意の返報性」という言葉があり、人は他人から好意を受けるとお返しをしないと悪いなという心理状態になるものです。常に周りに対して協力している人は結果的に自分の仕事を人から助けてもらえる土壌を作っていることになります。
また、人から協力を受けたときは「お忙しいなか、ありがとうございました! 本当に助かりました」と、しっかり感謝の気持ちを伝えることも大切です。「すみませんでした」という人がいますが、「すみません」は謝罪の言葉、「ありがとう」は感謝の言葉です。もちろん謝罪より感謝の言葉の方がうれしいですよね。
最後に、人に仕事を頼むときの注意点ですが、相手が必ずしも自分の期待通りのアウトプットを出してくれるとは限らないことです。他の人と作業するときは、作業のアウトプットイメージをしっかりと共有することが大切です。
「仕事の目的」「成果物のイメージ」「具体的な締切時間」を相手が理解しているか確認する癖をつけましょう。こちらが締切と思っている日に頼んだ相手からイメージと違うものが出てくるなんてことがよくあるものです。それを回避する算段をつけておくのも仕事をスピーディーに進める上で大切なことでしょう。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)