思考力
2016.07.11
できる人ほど、日ごろの情報収集を怠らない
スピード思考術4:できる人の情報収集はネットで終わらない!
仕事を進めるまえに
きちんと下調べしていますか?
企画を考えるときやみくもに進める人がいますが、そういう人に限ってうまく案がまとまっていないことが多く、「しっかり調べてから考えたほうがいいんじゃないかな?」と思うことがよくあります。
企画や商品開発などのクリエイティブな仕事をする場合、「これまで全くなかったものを創るのだから、過去のことなんか見なくてもいい」と考える人もいます。
ですが、世の中にある一見すると創造的な商品でも、よくよく見ると過去の何かにどこか似ているものが数多くあるでしょう。前回のコラムにも書きましたが、「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」でできています。
下調べをすることは真似をするということではなく、アイデアの源や過去の解決方法を知り、自分の頭に蓄積することです。そして大切なのは、過去のやり方を知りながらも、それに流されずに自分の考えを出せるかです。過去のアイデアを見るとそれを真似してしまうから見るのをやめようというのは変ですよね。
そのスタンスで情報収集をする癖をつければ、どんな仕事でもヒントに気づくのが速くなり、創造性のレベルもアップします。
仕事ができる人は
常に情報収集をしている
皆さんはどのような方法で情報収集をしているでしょうか。今はほとんどの人がインターネットで検索をしていますが、良質な情報を手に入れるにはやっぱり本が最適です。ネットだけ見て「情報が見つかりませんでした」と言う人をみかけますが、それではいつまで経っても質の高い知識は得られないでしょう。
例えば、『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている (マイナビ新書)』(西内啓著)というタイトルの本がありますが、それだけでもちょっと面白いと思いませんか。私も、皆さんが仕事で困っている内容の9割近くはどこかで誰かが既に考えて本などの形で情報発信しているのではないかと思います(この場合、「答え」ではなく「ヒント」だというスタンスで本を見たほうがいいですが)。
仕事ができる人は、ほぼ本を読んでいます。本を読むことで、常に情報収集をしているから、仕事の解決策やアイデアがすぐに浮かぶのです。
建築家は良い建築をたくさん見ますし、ファッションデザイナーもたくさんの素材を調べてアイデアのヒントとなる貯金を継続的に増やそうとしていることは容易に想像ができるでしょう。つまりアイデアの元となる情報をたくさん知っていないと良いアイデアは出ないわけです。
1週間に1度くらいは本屋に行く習慣をつけましょう。店頭で人気書籍コーナーやそのテーマ、雑誌の見出しなどを見るだけでも、たくさんの情報が落ちています。
自分の専門外や興味のないことを敬遠する人もいますが、「アイデアは知識と知識の組み合わせ」です。自分の専門領域の課題に対して、関係ない領域の知識が組み合わさってよいアイデアになることもあるでしょうから、幅広くバランスよく情報に触れることをお勧めします。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)