コーチング
2016.09.28
コーチングは、信頼関係の上に成り立っている
コーチング2:部下を知り、観察し、自ら関わるのがコツ
毎日、顔を合わせていても
上司は部下のことを何も知らない
信頼できない人の話は、なかなか受け入れられないもの。コーチングも、教える側と教えられる側に信頼関係(ラ・ポール)があってこそ初めて機能します。
部下と信頼関係を築くためには、次の3つが必要不可欠です。
① 相手を知る
② 相手を観察する
③ 自分から関わる
あなたは、部下のフルネームを漢字で書けますか?
管理職の方にこう質問すると、意外と書けない人がいます。出身大学など履歴書に書かれた経歴は知っていても、趣味や将来の夢といった情報は知らない人が多いようです。
信頼関係を築くには、部下をひとりの人間として、立体的に把握することが大前提。まずは思い込みや他者の評価に惑わされず、あるがままの部下を見るよう心がけること、そして「あなたのことが知りたい」という姿勢を見せることが重要です。
部下をただ「見る」のでなく
意識して「観察する」ことが重要
相手を観察することも、信頼関係を築く大切なプロセス。そう聞くと、「自分は毎日、部下をちゃんと見ている」と思う人も多いでしょう。
しかし、ただ見ていることと、観察することは違います。人は目にしたものの中から、自分の興味のあるものだけを認識するため、部下についても興味のある部分しか見えていない人がほとんどでしょう。
また、観察には、①ただ何となく相手を見る=無意観察、②特定の意図をもって相手を見る=有意観察、という2種類があります。人を育てようと思うなら、以下の観点から部下を「有意観察」することが求められます。
見る → 姿勢、表情、視線、口の形、手の位置、服装、髪型
聞く → 声の大きさ、スピード、言葉数、語気、笑い声、ため息
感じる → テンション、オーラ
このように、日頃から意識して部下を観察していると、「この人は悩みがあると、こういう言動をとる」といったパターンが見えてきます。パターンを知っていると異常値を察知でき、適切なタイミングで、しかるべき対応ができるようになるのです。
岩本 好之(Iwamoto Yoshiyuki)
大学卒業後、国内金融機関で営業、営業企画、IT、人事など幅広い領域で実務とマネジメントを経験。米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、数多くのシックスシグマ手法による問題解決プロジェクトの推進、成果実現、および人材育成に携わる。大手金融機関にスカウトされ、教育部門の責任者として全社的な経営品質改善活動の推進、経営戦略から見た教育ニーズの整理、および各種研修の企画立案、実施等に従事する。現在は、企業研修、セミナー講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー、基礎心理カウンセラーの資格を有し、コーチング・カウンセリングにも取り組む。