チェックワード
2016.09.29
「敷居が高い」には、分不相応という意味はない
本日のチェックワード 24「敷居が高い」
こんな格式あるお店、敷居が高いです。
自分には不相応の場所で気後れする、というニュアンスでよく使う表現。しかしこの慣用句には、「不義理をしたり迷惑をかけたりして行きにくい」という意味があります。接待を受けたり上司に連れて行ってもらったりした店に向けて使うと、「前に来たことがある? しかも何かやらかした?」と誤解されてしまうかも。また、気後れを前面に出すと、連れてきてくれた人に気を遣わせてしまうことにもなります。緊張しても、相手の顔を立てる方がよいでしょう。
・田中さんにはお世話になりっぱなしのまま疎遠になってしまって、敷居が高いです。
監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)
東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。