タイムマネジメント

2016.10.26

目的を失って時間に追われないようにするために

タイムマネジメント4:「投資の時間」を確保する

「高重要度・低緊急度」に時間を充て
将来に向けた「投資の時間」を確保する

前回の「タイムマネジメント3 成果を上げるスケジュール作成とは」では、「劣後順位」で本当に大事なことに集中することが大切だとお伝えしました。では、その本当に大事なこととは何かを、「優先順位のマトリクス」(スティーブン・R・コヴィー著)の図を引用してお伝えします。

まずはマトリクスを見てください。時間の使い方を考えるとき、あなたは何を基準に優先順位を決めているでしょうか。

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緊急度と重要度を軸にすると、「重要度も緊急度も高いこと」や「重要度は低いが緊急度が高いこと」を優先しがちです。正しくは「優先せざるをえない」のですが、これだと常に時間に追われてしまいます。目の前のことで精一杯になっているうちに1日が終わっていた、1週間経っていた、なんてことはないでしょうか。このままでは、「本当に大切であろう重要度は高いが緊急度は低いこと」が長期間手付かずのまま...なんてことにもなりかねません。

図の第二領域の「重要度は高いが緊急度は低いこと」の多くは、「仕事や将来に役立つこと」です。時間の価値を上げるためには、この領域に時間を確保することが重要です。まさに、「投資の時間」になるのです。

一度、自分の1日を振り返ってみてください。四つの領域にそれぞれ何時間あったでしょうか。第二領域、いわゆる「投資の時間」には就寝時間を除いた残りの時間の2割程度を充てるのが理想といわれています。就寝時間が7時間であれば3時間半程度です。この程度であれば1日のなかで確保できそうだと思いませんか?

特に成果につながる自己投資や人脈構築、職場での人間関係や家族との絆づくりは、将来への種まき・水やりのつもりで日々手間と時間を惜しまないこと。またリフレッシュして生産性を上げるためにも趣味や体力づくりなど、ワーク以外の部分も大切です。



小倉 環(Ogura Tamaki)

大手流通会社にて広報を経験後、人事・採用メディアのコンサルティングおよび転職支援に従事したのちに株式会社ハーモニーワークスを設立。専門はワークライフバランスと若年者および女性のキャリア支援。ワークライフバランスの知識を活かし、「ワークライフシナジー」につながる個人・組織の生産性アップと働き方を見直す時間の使い方を企業向け研修で提唱し、好評を得ている。

イラスト/吉泉ゆう子