会議
2017.06.07
脱・"シーン"会議! アイデアを引き出す魔法の言葉とは?
会議7:ワンフレーズで今日からアナタも問いかけ上手に!
アイデアを引き出すために、
呼び水になる答えを用意する
会議の進行役を務めていて、参加者に意見やアイデアを求めたところ、場がシーンと静まり返ってしまった・・・という経験はないでしょうか。これでは場の雰囲気もどんどん暗くなってしまいます。参加者に質問を投げかける際には、次の2点に注意しましょう。
1点めは、詰問調になっていないか、ということです。「なぜ、売り上げ目標が達成できないのか? 」などと「なぜ・どうして」という言葉を使うと、言われた方は非難されたように感じてしまいます。そんなときは、「売り上げ目標が達成できないのは、具体的に何が原因でしょうか? 」と、「具体的に」「何が原因」という言い方をしてみましょう。ちょっとしたニュアンスで、語感がぐっとやわらぎます。
2点めは、自分でも答えられないような質問になっていないか、ということです。たとえば、「いままでにない革新的な商品のアイデアはないかなあ」と言われても、話が漠然としていて参加者はどのように答えていいのかわからないでしょう。ゆえに、参加者に意見を求める前に、自分でも3つくらいは答えられるよう、「呼び水」になるような意見・アイデアを準備しておきましょう。そして、意見が出ないようであれば、それを例として提示します。
「革新的な商品って、例えば、コクヨからはハリナックスという針のないホッチキスが生まれているよね」「俺のイタリアンって、高級食材を立ち食いで楽しむというこれまでにない革新的なやり方だよね」などと実例を提示すると、参加者は「なるほど、それくらいのレベルのアイデアを求めているのだな」ということがわかり、発言がしやすくなります。呼び水となるアイデアの事例を普段からストックしておくことも大切です。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)