仕事の効率化
2018.06.13
箇条書きレベルの伝え方が効率化につながる
仕事の効率化10:情報伝達は5W1Hを基本にする
仕事を効率化させるには
的確なコミュニケーションも大切
前回までは、スケジュール管理や段取りによって仕事を効率化させるノウハウをお話してきました。しかし、仕事は1人で完結することはほとんどなく、社内外のさまざまな相手と一緒に進めていくものです。つまり、仕事の効率化には的確なコミュニケーションも重要なのです。そこで今回からは、コミュニケーションを効率化させるノウハウを3回にわたってお伝えしていきます。
今回の記事は、連載第1回でご紹介した「忙しさの7つのタイプ」のうち、タイプ4の「仕事が堂々めぐりして前進していないと感じることがある」に当てはまる人にとって役立つ内容です。効率的なコミュニケーションがとれるようになれば、仕事のスピードも上がるためです。
5W1Hをベースにすれば
要点を簡潔に伝えることが可能に
メールや電話で相手に情報を伝えたときに、あなたの意図が伝わらず何回もやりとりすることになってしまった……といったことはないでしょうか。コミュニケーションの二度手間が多いと、あなたの貴重な時間がムダになるだけでなく、相手の時間まで奪ってしまうことになります。最小限の連絡で、ヌケモレなく情報を伝えることを目指しましょう。
では、どうすれば情報を整理して的確に伝えることができるでしょうか。私がお勧めしたいのが「5W1Hをベースにすること」です。5W1Hとは・・・
いつ(When)
どこで(Where)
誰が(Who)
何を(What)
なぜ(Why)
どのように(How)
予算が関わってくるときは、
いくらで(How much)
をプラスした5W2Hとなります。
メールでも電話でも、この5W1H(もしくは5W2H)を押さえれば、要点を簡潔に、そして具体的に伝えることができます。特にメールの場合は、伝えたい5W1Hを箇条書きにすれば10行以内に収まるため、自然と要点を見える化できます。
前置きのあいさつなどは
場合によっては不要
「箇条書きベースの簡潔さで、5W1Hで伝える」という提案をすると、「習慣上そうもいかない」と反論なさる方もいらっしゃいます。確かに、取引先へのメールには「お世話になっております」、社内のメンバーには「お疲れさまです」などを文頭に付ける習慣もある程度は浸透しています。
しかし、普段ひんぱんに顔を合わせる機会があり、信頼関係が成り立っているなら、必ずしも前置きの文章は必要ではないと私は考えます。それより、5W1Hの箇条書きを駆使してヌケモレや重複なく情報を伝え合う方が、互いのためになるコミュニケーションができるのではないでしょうか。
もちろん相手によっては、前置きや時候のあいさつなどが必要な場合もあるでしょう。しかし少なくとも、実際にメールなり電話なりをする前には、5W1Hを自分の中で整理することがマストです。
5W1Hは「行動が見える言葉」や
数字を含む表現に言い換える
最後に、5W1Hで情報を伝えるときの注意点を挙げておきましょう。重要なのは、抽象的な表現を使わないことです。せっかく5W1Hで簡潔に伝えたつもりでも、「検討する」「徹底する」「共有する」といった具体性に欠ける表現が多いと、相手は「結局何をしたらいいのかわからない」となりがちです。
コミュニケーションをとるときは、1度頭に浮かんだ表現を頭の中で再検討し、見ただけで「いつまでに・何を・どこまで行うか」がパッとイメージできる具体的な表現に言い換えましょう。さらに、数字を入れ込んだ表現を心がければ、より具体性がアップするのでお勧めです。
鈴木 進介 (Suzuki Shinsuke)
経営コンサルタント。独自の思考整理術を構築し、「思考の整理家」として、現在では一部上場企業からベンチャー企業までコンサルティング実績は100社以上。講演会や人材教育の分野でも活躍する。『1分で仕事を片づける技術』、『1分で頭の中を片づける技術』(共にあさ出版)など著書多数。