チェックワード

2018.12.19

使用シーンが増えている 「センミツ」の意味は?

本日のチェックワード 73「センミツ」

「3月は新製品の発売ラッシュですが、生き残るのはセンミツと言われますよね」

 飲料・食品などの業界で、上記に挙げた「センミツ」というフレーズが使われることが増えています。どんな意味をもつ言葉かご存じですか?
「センミツ」は「千三つ」と書き、「千のうちわずかに三つ」を表します。転じて「嘘つき」(千のうち三つしか真実を言わないから)や「地所の売買や雇用などの仲介をする人」(商談が成立するのは千口のうち三口ほどだから)の意味で使われるようになりました。そして近年では、飲料・食品の新製品について「1000品目のうち、ヒットして生き残れるのはせいぜい3つ」という厳しさを説明するための表現として用いられています。それ以外でも、新規事業が成功する確率をはじめとするビジネスの事象を「センミツ」という言葉で言い表すことは増えています。この機会に覚えておくと便利でしょう。
 

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。