チェックワード
2019.01.15
教育関係の話題で登場する 新用語「浮きこぼれ」の意味は?
本日のチェックワード 74「浮きこぼれ」
「浮きこぼれ対策に取り組む公立中学が出てきたそうですね」
取引先での雑談で、相手が上記のように話しかけてきたとします。ここで話題となっている「浮きこぼれ」の意味をご存じですか?
「浮きこぼれ」は、学校をはじめとする教育現場で近年使われることが増えている言葉です。高い学力や旺盛な学習意欲をもつ児童・生徒は、通常の学校の授業に物足りなさや疎外感を感じることがあり、これを「落ちこぼれ」と逆の状態を表す「浮きこぼれ」といいます。優秀な児童・生徒がはみ出してしまうことを、煮立った湯などが吹き上がってこぼれる様子にたとえて「吹きこぼれ」と呼ぶこともあります。浮きこぼれの生徒に向けて特別授業を実施する学校もみられるなど、教育界ではポピュラーになりつつある用語の一つです。教育以外の業界で働く人も、「浮きこぼれ」の意味を押さえておくと、ビジネスシーンで使えそうです。
・新人研修の様子を見ていると、「浮きこぼれ」に近い層がみられます。
監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)
東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。