チェックワード

2016.05.10

「役不足」の正しい使い方

本日のチェックワード 5

A上司「進行はキミに任せるよ」
Bメンバー「私には役不足ですが、精一杯務めさせていただきます」

「力不足な自分にとっては荷が重い」といった謙遜のニュアンスでこのような言い方をする人が目立ちます。でも、実は『役不足』とは、「自分の力量と比べて役目が軽すぎること」という意味。つまりこのケースだと、「進行の役目は私にとって簡単すぎて物足りない」と解釈され、立場によっては生意気な印象を与えてしまいます。自分の力量が心配な場合には、「力不足の私ですが...」などが正確な表現です。

この使い方ならOK

力不足の私ですが、精一杯務めます。

・(同僚に向けて)議事録作成なんて、私には役不足なんだけどね。

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。