会議
2017.04.21
アイデアは常識の枠を外して考える
会議6:脱・常識と4つの切り口でアイデアを生み出す
あなたの思考、「常識」に
縛られていませんか?
会議ではアイデアを求められるシーンが多くあります。そんなときに参加者から様々な発言が飛び出すと、ディスカッションの進行がスムーズになり場の空気も活性化します。今回は、そんな会議におけるアイデア出しに有効な2つのステップをご紹介しましょう。
まず1つめのステップは、「常識」を挙げることです。業界や社内で「こうあって当然だ」と思われているルールや思考の枠、慣例などを列挙してみましょう。すると、「あれ、これって本当にこうじゃなきゃいけないのかな?」と疑問がわいてくる事項があるかもしれません。それを、一度取っ払ってみましょう。
例えば、残業削減のアイデアを考える際、残業に対して常識になっていることは何かを考えてみます。「プレゼン前日は残業する」、「上司が残っていたら部下も残る」、「繁忙期の残業は仕方ない」...。こうした常識により、発想の領域が狭くなっていないでしょうか。常識を外すことで、思いのほか自由なアイデアが出てきます。いわば、「考える起点」となるわけです。
会議の進行役は、「残業について、社内で当たり前になっていることはありませんか?」、「無意識のうちに常識になっていることがないか、まずは考えてみませんか?」などと投げかけてみるといいでしょう。
常識を打ち破るための
アイデア出しの4つの切り口
常識がひと通り出たら、次に「4つの切り口でアイデアを考える」という2つめのステップへと移ります。ものごとを考える切り口は世の中にたくさんありますが、この4つを覚えておくと応用が利きます。
1. 引き算思考 ...何かを引く・やめる
2. 逆算思考 ...何かを反転させる
3. 掛け算・割り算思考 ...拡大・縮小する(規模やサイズを変える)
4. 意外性のある足し算思考 ...関係のないものを組み合わせる
例えば、以前は常識だった機内での無料食事サービスなどをやめた(引き算思考)格安航空会社(LCC)、子ども向けのお菓子を大人向けに転換した(逆数思考)「オフィスグリコ」、学生向けに量を増やしたカップラーメン(掛け算思考)「スーパーカップ1.5倍」、寿司にアボカドを入れた(意外性のある足し算思考)カリフォルニア巻き...というように、世の中のヒット商品やサービスの多くが、この4つの切り口で生まれたアイデアです。
「付加価値をつける」というと、つい足し算ばかりを考えてしまいますが、不要なものを引いてシンプルにしたり、方向性を逆転させたり、比率を変えてみたりすることで、思わぬアイデアにつながることもあります。会議の進行役には、アイデアを引き出す「アイデア・マネジメント」のテクニックが求められます。こうしたヒントとなる切り口を提示して、メンバーの発想を刺激してみましょう。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)