組織の力
企業戦略としてのテレワーク〈前編〉
準備不足のテレワーク導入は必ず行き詰まる
2016年に打ち出された働き方改革の中核として、「テレワーク」という働き方が注目されているが、これまでは「福利厚生の一環として企業が社員に提案する働き方」と認識されてきており、導入企業はまだ多くはない。しかし、株式会社テレワークマネジメントの代表取締役であり、テレワーク推進の第一人者として知られる田澤由利氏は「テレワークは福利厚生ではなく、企業が生産性を向上させるための新戦略です」と力説する。テレワークによって働き方や企業の生産性はどのように変わるのか、お話をうかがった。
企業の土壌が変わらなければ
導入しても根づかない
田澤 由利(Tazawa Yuri)
株式会社テレワークマネジメント/株式会社ワイズスタッフ代表取締役。上智大学卒業後、シャープ株式会社での商品企画やフリーランスのライターを経て、在宅型テレワークの可能性に注目する。1998年に北海道北見市で在宅ワーク仲介会社として株式会社ワイズスタッフ、2008年に株式会社テレワークマネジメントを設立。2015年、テレワーク普及推進に貢献したとして総務大臣賞を受賞。著書に『在宅勤務(テレワーク)が会社を救う 社員が元気に働く企業の新戦略』(東洋経済新報社)など。
株式会社テレワークマネジメント
テレワークの普及を目的として2008年に設立。テレワーク導入支援コンサルティングのほか、テレワーク用システム「F-Chair+(エフチェアプラス)」の販売や、テレワークに関する講演・研修、調査・分析などを行っている。2015年に「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」特別奨励賞を受賞。