リサーチ
2019.05.29
世代が違えば魅力も変わる? すごい能力、足りない能力
どう見ている? 上司の強みと部下の伸びしろ
メディケア生命保険が実施した「若手とベテランの仕事に関する意識調査」。全国の若手(20〜29歳、社会人歴5年未満)とベテラン(40〜59歳、社会人歴15年以上)がお互いに「すごい」または「足りない」と感じている能力を比べてみると、世代によって評価の観点が違うことが浮き彫りになった。「すごい能力」は言い換えればその人の強み、「足りない能力」は今後の伸びしろともいえる。そこには上司と部下が互いの理解を深めるためのヒントがあるのではないだろうか。
まずは若手の調査結果から見てみよう。若手が感じるベテランのすごい能力1位は「業務知識・能力」。次いで「社内での立ち回りの上手さ」や「人脈(顔の広さ)」となっており、ベテランならではの経験値やコミュニケーション能力が高く評価されているようだ。足りない能力の1位は「気持ちを察する力」。これは耳が痛いベテランも多いのではないだろうか。場合によっては親と子ほども年が違うこともあり、ジェネレーションギャップを感じ、積極的に歩み寄ることを避けている方もいるかもしれない。また、「すごい」・「足りない」を問わず、直接業務には関係のなさそうな「知識の豊富さ」「カリスマ性」などの項目が挙がっているのも特徴だ。若手は上司に人としての魅力を求めているということだろうか。
一方でベテランが認める若手のすごさは「自分の意見を言える・通す力」。これは若手からベテランへの評価では10位に甘んじている項目だ。そして、若手に足りない能力の1位は「業務知識・能力」で、若手からベテランへの評価とは対照的な結果となった。業務知識が不足(足りない1位)しており、伝え方が未熟(足りない2位)な社会人経験の浅い若手だからこそ、かえって臆することなく意見が言える強さがあるのかもしれない。また、「すごい」・「足りない」共にベテランの挙げる項目は業務に直結する内容が目立ち、上司という視点での評価に終始している印象だ。人としての魅力も上司の評価基準に含める若手との違いが際立つ。
ベテラン側から見ると若手が好き勝手を言っているように感じられるかもしれないが、数字に着目すると総じて若手の方が好意的にベテランを評価していることがわかる。調査に協力した若手の約60%がベテランの「業務知識・能力」を評価しているのに対し、若手の「自分の意見を言える・通す力」を認めるベテランは10%にとどまり、「業務知識・能力」不足を嘆くベテランは25%を超えているのだ。若手の欠点に目が行きがちなベテランには、確かに「気持ちを察する力」が必要かもしれない。この調査結果を踏まえて、お互いの良さや弱点を見つめ直すきっかけにしてはいかがだろうか。
【出典】「若手とベテランの仕事に関する意識調査」メディケア生命調べ