HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 【企業事例あり】フリーアドレスオフィスとは?メリットや注意点も紹介
公開日:2024.5.14
執筆:コクヨコラム編集部
フリーアドレスオフィスとは、座席を自由に選べる制度を取り入れたオフィスのことです。働き方の柔軟性が求められ、仕事におけるICT活用が進展するなか、フリーアドレスを採用する企業が増えています。
この記事では、フリーアドレス導入検討中、または導入後のご担当者に向けて、フリーアドレスによる働き方の変化やメリット・デメリット、導入の手順や注意点について、フリーアドレスに便利なデスクやバッグなどのグッズ紹介や企業事例も交えて解説します。
目次
コクヨ梅田ライブオフィス
テーブル「Region(リージョン)」、チェアー「ingLIFE(イングライフ)」
フリーアドレスとは、個人の固定席を設けず、デスクを共用で利用することでワーカーが自分の働き方に合ったスペースを自由に選択できる、オフィスの利用形態を指します。
ここでは、フリーアドレスが注目されている背景や、フリーアドレスに似た概念、さまざまなフリーアドレスのタイプについて解説します。
昨今、フリーアドレスが注目されるようになったきっかけの1つは、2020年に始まったコロナ禍で、多くの企業が出社制限を行ったことです。
多くのワーカーは、出社制限によってテレワークを体験し、場に縛られずに働く可能性に気付きました。企業の側も、テレワーク時にはオフィスの席が使われないことから、オフィスに全員分の座席を設けるのは無駄ではないかと感じ始めました。
さらに、テレワークが普及し、オフィスは必ず行くべき場所ではなく「働く場の選択肢の1つ」となる中で、「より来たくなるオフィス」であることが求められるようになり、企業側にはそのための空間を捻出する必要ができてきました。その結果、解決策の1つとしてフリーアドレスを検討する企業が増えてきたのです。
2023年現在、企業におけるフリーアドレスの採用率は約20%(※コクヨ調べ)。先進的なICT企業に限らず、中央官庁やメーカー、サービス業などさまざまな業種の企業でフリーアドレスが導入されています。
実は、フリーアドレス(Free Address)という言葉は和製英語です。英語圏でフリーアドレスは一般的にホット・デスキング(Hot Desking)、固定席はアサインド・デスク(Assigned Desk)と呼ばれます。
フリーアドレスと似たような意味で使われる言葉に「ABW(Activity Based Working)」や、「ノンテリトリアルオフィス」があります。
オフィス内の座席という点から見たフリーアドレスとABWの関係
フリーアドレスがオフィスにおける座席の運用ルールであるのに対して、ABWは業務における活動(アクティビティ)に合わせて、ワーカー自身が働く場所や時間を選択できる働き方全体を指し、ノンテリトリアルオフィスはオフィス全体の運用方法を指すという点で異なっています。
フリーアドレスとABWの違いについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
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・フリーアドレスとABWの違いとは?導入企業の事例や導入方法も紹介
一口にフリーアドレスと言っても、その形はさまざまです。おもな相違点として「導入範囲(導入部門とエリア)」「予約方式」「座席セッティング」の3点があり、業務内容や組織の文化、スペースや予算に応じて、組織に適した組み合わせを選択します。
■導入範囲(導入部門とエリア)
全社員で、オフィス内のエリアを限定せず誰でも好きな席を選べる「全席フリーアドレス」があります。また、一部の組織やグループで導入して、指定された範囲内で好きな席を選べる「グループアドレス」などがあります。「グループアドレス」は、フリーアドレス導入による弱点であった、グループ間での情報共有などができるという利点があります。
全席フリーアドレスでの座り方
グループアドレスでの座り方
■予約方式
あらかじめ座席を予約して座る場合と、予約はなく空いている席に座る場合があります。なお、オンライン上でオフィスの座席やブースを予約できるシステムを「ホテリング」と呼びます。他に、ランダムに座る席を決めるという方法などもあります。
座席予約ありでの運用
座席予約なしでの運用
■座席セッティング
さまざまな席タイプが用意されていて業務にあわせて選択できる「アクティビティセッティング」と、どの席も環境に大きな差をつけない「ユニバーサルプラン」があります。
アクティビティセッティング
ユニバーサルレイアウト
フリーアドレスを導入することで、ワーカーは1日の業務におけるさまざまなアクティビティに合わせて働く場所を選ぶことができます。コミュニケーションが必要な業務、集中が必要な業務など、目的に応じた場所で働くことで、コラボレーションや情報共有の促進、生産性の向上などにつながります。
ここでは、フリーアドレスを取り入れた企業(アクティビティセッティング型)に勤めるAさん、Bさん、Cさんの、1日の働き方のイメージを紹介します。
企画職Aさんの働き方プロフィール
・Aさん自身の出社率は6割以下、部のメンバーの出社率も同程度
・社内ミーティングが多く、リアルでのコミュニケーションのために週1回は出社
・オフィスに集まってグループミーティング
<フリーアドレスのメリット体感ポイント>
業務に合わせて場所を選ぶことでメリハリがつき、他部署のメンバーとのコミュニケーションも増えて、生産性が上がったと感じる。
ファミレスの座席のような向かい合ったシートは、カジュアルに集まりやすく発散型のミーティングやグループワークにおすすめです。
コクヨ名古屋ライブオフィス
ソファ「OSFA(オスファ)」、テーブル「Franka(フランカ)」
集中しやすいカウンターは、じっくりワークはもちろん、次の予定までの隙間時間にメールチェックをしたりするタッチダウンスペースとしても活躍します。
名古屋ライブオフィス
カウンター「リージョンアジャスタブルカウンター」、チェアー「offset frame(オフセットフレーム)」、収納庫「エディア フリーパネルタイプ」
動かしやすくフレキシブルな家具は、会議スペースにも、休憩スペースにもアレンジでき、空間を効率的に使うことができます。ワークにも適した機能を持つ、「Any wayシリーズ」がおすすめです。
コクヨ名古屋オフィス
テーブル「Any Table(エニーテーブル)」、ソファ・スツール「Any sofa(エニーソファ)」、チェアー「Any(エニー)」
WEB会議に最適なブース「WORKPOD(ワークポッド)」は、気密性が高く周囲の音や自身の声にも配慮できるため、オフィスでのオンラインミーティングや1on1にも最適です。さまざまなタイプがあり、オフィスや用途に合わせて選べるのもポイントです。
コクヨ名古屋ライブオフィス
「WORKPOD(ワークポッド)」
正面の視線が気になって集中しづらい時にときにおすすめなのがブーメランレイアウト。ほどよく視線が外れるだけでなく、横から話しかけやすいというメリットもあります。
営業職のBさんの働き方プロフィール
・社外との打ち合わせと個人ワークが中心
・来客が多いため7割程度は出社
・他部署メンバーとの会話は重要な情報収集のチャンス。コミュニケーションは欠かせない
<フリーアドレスのメリット体感ポイント>
集中ブースや在宅勤務も活用することで、業務効率が上がった。フリーアドレスオフィスではいろいろな人と遭遇しやすいので、何気ない会話から情報が得られる。
フリーアドレスではペーパーレス化などで書類を削減したり、個人の荷物を出しっぱなしにしないため、いつもすっきりとしたデスクで仕事が始められます。
コクヨ梅田オフィス
テーブル「Region(リージョン)」、チェアー「ingLIFE(イングライフ)」
名古屋ライブオフィス
テーブル「WT-400」、チェアー「offset frame(オフセットフレーム)」
カジュアルでリラックスした雰囲気のワークラウンジは、気軽な打合せをしたり、近くの人とのコミュニケーションがとりやすい環境が作れます。
コクヨ品川ライブオフィス
テーブル「Franka(フランカ)」、「SENTIR(センティア)」、チェアー「ingLIFE(イングライフ)」、「Liite(リーテ)」、ソファー「OSFA(オスファ)」
自販機やウォーターサーバー、コピー機など人が集まる要素を活用した場所をマグネットスペースといいます。マグネットスペースのそばに、ベンチやカウンター、テーブルなどを置くと人がとどまり、交流しやすくなります。
コクヨ梅田ライブオフィス
カウンター「big counter(ビッグカウンター)」、ハイスツール「hang like(ハングライク)」、シェルフ「wall shelf(ウォールシェルフ)」
オープンスペースでの会議やリモート会議は、周囲の音が気になります。吸音素材を使用したパネルでさまざまな形に囲めるブース「fore(フォーレ)」がおすすめです。
コクヨ梅田ライブオフィス
パネルブース「fore(フォーレ)」
事務職のCさんの働き方プロフィール
・紙の書類を使う定型業務が中心で、毎日出社している
・チームで連携しながら動く業務が多い
・座席は、部署ごとに執務エリアが決まっているグループアドレス制
自身の執務エリアは決まっているが、社内全体にフリーアドレスが導入されたことで、他部署のメンバーとのコミュニケーション量が増えた。結果的に業務上の問題解決がスムーズになったと感じる。
フリーアドレス成功のポイントのひとつは、使う書類や個人の荷物を最少化すること。書類をデジタル化し、ペーパーレスを進めることで個人の荷物を減らすことができます。
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・オフィスの書類削減とペーパーレス化のメリット・導入方法
パーソナルロッカー「iNON(イノン)」
デスクワーク中の簡単な確認やちょっとした相談には、スツールがあると便利です。特にスタック(積み重ね)できるタイプだと、コンパクトに収納できます。
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・【コクヨ】ABW、フリーアドレスにも!おしゃれでおすすめスツール3選
コクヨ梅田ライブオフィス
スツール「Pikkle(ピックル)」、チェアー「Bezel(ベゼル)」
執務スペースに、ソファや簡単に移動できるホワイトボードがあると急な打ち合わせや相談に対応できます。また、メンバーと会話しながら休憩をしたりリフレッシュする場所としての活用もおすすめです。
コクヨ梅田ライブオフィス
ソファー「METTI(メッティ)」、テーブル「Region(リージョン)」、ホワイトボード「MOBO-bo(モビーボ)」
執務スペースでもコンパクトに集中席を作れる、「Verte(ヴェルテ)」がおすすめです。ほどよく視線を遮り、適度なこもり感が集中ワークをサポートします。
コクヨ品川ライブオフィス
チェアー「ing(イング)」、パネルブース「Verte(ヴェルテ)」、ブース「WORKPOD(ワークポッド)」
個人の座席を固定しないフリーアドレスを取り入れることで、企業は、オフィススペースの活用や社員の働き方の変革などの面でさまざまなメリットを得ることができます。以下、代表的なメリットをご紹介します。
テレワークや外出、会議などで席を外す社員が多いオフィスでは、フリーアドレスの導入によってスペースコストが削減できます。在席率をもとに適正な席数を設定し、執務スペースのデスクやイスを共用にすることで、空いたスペースの他用途への活用が可能になり、より効率的なオフィスづくりにつながります。
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・あなたの知らない「オフィスの世界」フリーアドレスの謎編第2話 スペース効率化の巻
フリーアドレスオフィスでは、席と人が結びついていないので、組織やメンバーの増減や変更があってもレイアウト変更工事が不要です。新たなプロジェクトの活動場所確保、メンバー増員、ヘルプで来た人の座席確保など、臨機応変に対応できます。
座席を固定しない大きなメリットは、組織内のコミュニケーションが促進されることです。日ごとに異なる人と席を接して会話することで、チーム内に固定しがちなコミュニケーションが柔軟になり、新たな情報や発想を得ることができます。
例えば違う部署の管理職の人にも話しかけやすくなったという声もあり、部署を越えた連携の促進も期待できます。
なお、「グループアドレス」は、組織内コミュニケーションを担保しつつ、部署を超えた連携をすることに適した制度です。週替わりでグループで座ってよいエリアの入れ替えなどを行い、部署間の交流を促すことを期待しています。
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ワーカー自らが座席を選ぶことは、自立的な働き方の促進につながります。今日の仕事に必要なものや環境を考えて仕事に向かい、その日の業務に適した場所や自分が集中しやすい場所を選ぶなど、自律的に仕事を組み立てる姿勢が身につくことが期待できます。また、書類やPCなどすべて片付けて帰宅することで、終業のメリハリもつきます。
フリーアドレスオフィスでは個人専用のデスクがないので、離席時や終業時には個人の荷物をすべてロッカーなどに片付ける「クリアデスク」が基本です。これによって、社内がいつも整理整頓された状態になりオフィスの美化につながるのはもちろんのこと、情報漏洩の防止など、情報セキュリティ上のメリットも得られます。
コクヨ品川ライブオフィス「THE CAMPUS」
テーブル「franka(フランカ)」、チェアー「pallo(パロ)」、「Monet(モネット)」、スツール「ck-750」
フリーアドレスを導入する企業が増えている一方で、社員がフリーアドレスを苦痛に感じる、思うような成果が得られないなど、運用に失敗して従来の固定席に戻すケースもゼロではありません。
ここからは、フリーアドレス導入の目的を達成するために、事前に押さえておくべきポイントを一部ご紹介します。詳しくは関連記事や、ダウンロード資料もぜひご参考ください。
■関連記事
・フリーアドレスのよくあるQ&A
■お役立ち資料ダウンロード
・フリーアドレスに関するお悩み一問一答
せっかくフリーアドレスを導入しても、結局部署ごとに固まって毎日同じ場所に座り、私物を置きっぱなしにするなど、固定席と変わらない状況になってしまうことがあります。
また逆に、チームメンバーがバラバラに座っていてコミュニケーションが不足する、共用の備品置き場が乱雑になるなど、フリーアドレスのメリットよりもデメリットが目だってしまうケースもあります。
こういった状況を防ぐためには、フリーアドレスを導入する目的の明確化や、運用を維持するための仕組みやルール、働き方をサポートするツールやシステムが欠かせません。詳しくは「フリーアドレスを成功させるポイント」で解説します。
■関連記事
・経験者が感じるフリーアドレス導入後の課題と解決のポイント
幅広い業種で取り入れられているフリーアドレスですが、仕事の内容によって向き不向きがあります。フリーアドレスに向かないのは、紙の書類など現物を多く取り扱う業務、対面でのコミュニケーションやサービス提供が重要な仕事などです。
また、IT化が進んでおらず、対面コミュニケーションを重視する文化を持つ組織の場合は、導入は慎重に検討する必要があります。
ただフリーアドレスを導入しても、うまくいくとは限りません。導入にあたって、現状の業務プロセスやシステムなども含む、ワークスタイル全体の見直しが必要になる場合もあることに留意してください。
フリーアドレス導入によるデメリットを防ぎメリットを最大化するためにはどうしたらいいのでしょうか。
ここからは、フリーアドレス導入を成功させるポイントについて解説します。
■関連記事
・失敗しないフリーアドレスのポイントとは
目的がわからないまま自席がなくなったら、社員は不安に思うものです。そして、働き方を変えず、結局毎日同じ席に座るということにもなりかねません。
フリーアドレスの導入は、働き方やオフィスの課題を解決する手段の1つであって、導入自体が目的ではないはずです。フリーアドレスによるメリットを社員が実感できるよう、導入の目的を明確にして、あらかじめ社員への浸透を図りましょう。
そのためには、フリーアドレス導入の前後に現状把握のための調査を実施し、そのデータを公表したり、ワークショップを開催したりして、社員自らが働き方やオフィスについて考えるきっかけを作るのが効果的です。また、新しいワークスタイルの定着に向けて、社員の意識変革を図るワークショップの実施なども有効です。
■関連サービス
・オフィス課題リサーチ
せっかく導入したフリーアドレスを形骸化させずに維持するには、運用するためのルールや仕組みが必要です。事務局部門だけでなく利用部門の社員も巻き込んで、納得感のある運用ルールを定めましょう。
また、単にルールを作成するだけでは実効性のあるものになりません。ルールの浸透に向けた説明会の開催や冊子の作成、定期的なチェックや見直しも必要です。詳しくはこちらのダウンロード資料もご活用ください。
■お役立ち資料ダウンロード
・フリーアドレスに関するお悩み一問一答
空間やルールが整っていても、フリーアドレスには固定席にない困りごとがうまれることがあります。これを防ぎ、スムーズにフリーアドレスへ移行するには、働き方をサポートするオフィス家具などのツールや、便利なグッズが役立ちます。
フリーアドレスの困りごとと、それらを解決するツールやグッズについては、以下を参考にしてください。
<困りごと1>
「これまで使ってきた個人用デスクが、フリーアドレスでは使いにくい」
フリーアドレスには、配線機能があり、人数の増減に柔軟に対応できるテーブルが適しています。テーブルの選び方はこちらの記事を参考にしてください。
フリーアドレスデスクの選び方。種類や特徴、デスクを選ぶ前に検討すべき2つのポイントを徹底解説
コクヨ品川ショールーム
<困りごと2>
「かばんやファイルボックスの置き場がなく、床や机の上に広げている」
荷物の置き場となるフリーワゴンを使用することで、オフィスが散らからず、作業場所もしっかり確保することができます。
<困りごと3>
「席がないので郵便物がスムーズに渡せない」
郵便物を投入できる個人ロッカーがあれば、ノートPCや書類などのセキュリティ対策と、郵便物の問題が一挙に解決できます。
パーソナルロッカー「iNON(イノン)」
<困りごと3>
「結局、自分の収納の近くに座ってしまう」
PCや書類、よく使う文具などをまとめてはこぶモバイルバッグを使用すれば社内移動が楽になります。コクヨの「mochi・hako(モチハコ)」シリーズは、持ちやすさ・机上での使いやすさ・ロッカーへの収納のしやすさの3点が揃った便利グッズです。
次に、フリーアドレスを導入・運用する際の具体的な手順について解説します。
下に挙げた3つのステップが基本的な流れですが、具体的にどのような進め方がいいのか、どのようなタイプのフリーアドレスが適しているかは、企業や職場によって大きく異なります。
コクヨには、働き方変革やオフィス作りを専門とする営業担当者やコンサルタント、設計者が多数在籍し、それぞれの組織にフィットした形のフリーアドレスを提案しています。
また、導入だけでなく定着まで責任をもって、事務局のサポートをしています。フリーアドレスの導入・運用で迷ったときには、ぜひご相談ください。
■関連記事
・フリーアドレスの導入・運用を成功させるためのポイント
フリーアドレスの導入を検討する際に、まずやるべきことは目的の明確化です。省スペース化を求めるのか、社員のコミュニケーションの機会を増やしたいのか、導入する目的を明らかにして、オフィス作りの方針を決めてください。
方針が決まったら、導入後に起こり得る問題を洗い出して、運用ルールを決めましょう。その際はフリーアドレスオフィスを利用することになる社員も参加する形で仕組みを作るのがおすすめです。
現場感を踏まえて現実的な運用ルールにできる、検討プロセスから参加することで納得感をもって制度を使えるといった効果が期待できます。
また、フリーアドレスオフィスの導入によって、社員の帰属意識が希薄になることを防ぐ対策も必要です。集団としての意識が維持できるように配慮したレイアウトや空間作りが欠かせません。
フリーアドレス導入によって求める効果の精度を高めるためには、パイロットオフィス構築によって効果検証を行うというプロセスをお勧めします。
具体的には、導入の目的からどのようなオフィスが適しているか仮説を立てたうえで、仮説にもとづいて社内の一部にパイロットオフィスを構築し、一定期間のトライアル運用を実施します。その後効果検証を行い、課題を洗い出して設計やルールに反映していきます。
これによって本格導入に必要な要件の精度を高めることができるほか、パイロットオフィスを社内広報に活用できる、効果検証から導き出した要件に社内合意を得やすいなどのメリットが期待できます。
フリーアドレスの導入後は、オフィスで行われるアクティビティを継続的に評価することで、導入の効果を測り、改善につなげることができます。
フリーアドレスの運用が現場任せになってしまうと、いつのまにか制度が形骸化していってしまうことがあります。
導入の目的を達成するためには、働き方や働く場に関する適切な評価指標(KPI)をあらかじめ設定し、定期的に測定して、結果をオフィス改善や社員の行動促進などに反映し、働き方をアップデートしていく必要があります。
コクヨ霞が関ライブオフィスでは、1997年のフリーアドレス導入以来、社会背景の変遷に合わせてオフィス戦略を進化させ、つねに挑戦し続けてきました。
リアルとオンラインの「ハイブリッドワーク」が前提となった現在、オフィスは働く場としての選択肢の一つとなり「行くべき場所」から「行きたい場所」となることが求められています。
個人・組織・社会を繋ぐ役割を持つオフィスとして、チームで働くこと、リアルに体験することを大切にし、さまざまな形のコラボレーションが可能になる多彩なエリアを設けています。
実際にコクヨ社員が働いているオフィスを見学いただけます。働き方やオフィス空間にまつわるあらゆる課題への取り組みと解決のヒントを、ぜひ現地でご体感ください。
関連リンク
・全国のコクヨライブオフィス
オフィスの拡大移転にあたって地元新潟ゆかりの素材やモチーフを取り入れ、豊富なワークポイントを設けたフリーアドレス×ABWオフィスで、社員の自立的で多様な働き方を目指しました。
■導入事例
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 新潟オフィス
従来の部門縦割り型ではなく社内外の交流が生まれるライブラリーを設けました。アーチ形の本棚の間にさまざまな居場所を配置し、個人ワークやミーティングだけでなく、イベントやセミナーにも活用できるよう設計しています。
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日販グループホールディングス株式会社
メインの導線である「プロムナード」に沿って多様なミーティングスペースやさまざまな出会いの機会を広げる仕掛けが配置されています。またプロムナードの両端には機能的な執務エリアを設けています。
■導入事例
株式会社ベルシステム24ホールディングス 本社
コクヨ品川ショールーム
フリーアドレスオフィスの導入は、より効率的で仕事に新たな価値を生み出す働き方への変革、より社員が来たくなるオフィスづくりに役立ちます。自社の課題や目的に対して適切な環境整備を行うためには、専門家への相談をおすすめします。
コクヨにはオフィスに関する豊富なノウハウがあり、フリーアドレス導入コンサルティングを行っています。
導入までのプロジェクトマネジメントや運用のためのルール作り、制度の説明会、社内浸透ワークショップまで、フリーアドレスオフィスの実現に向けて、さまざまなサポートが可能です。フリーアドレスオフィスの導入にお悩みであれば、お気軽にご相談ください。
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