ライフのコツ

2013.08.26

はさみの選び方・使い方

正しい使い方で表現力を大きく拡げる

はさみは指を切るなど危険な側面があるので、使わせ始める時期を慎重に判断したい道具です。さらに、正しい使い方を教えてあげることや、はさみを使うときの手の動きに慣れることも大切です。はさみを上手に使えるようになってくると、こどもたちの創造性は一気に拡がっていきます。

初めてのはさみを選ぶポイント
(1)小さな子どもの手に最適な長さ(13~15cm)くらいであること。
(2)切れ味のよいはさみであること。
(3)指を入れる穴の大きさが大小異なること。
「切れ味はよいと心配」という声を耳にします。しかし、切れ味が悪いと無理に動かしたり、力任せに扱おうとするために、かえって危険が増します。切れ味はよいものを選び、安全に扱えるようになるまでは、必ず大人が見守る中で、使うようにしましょう。
(3)については、小さな穴に親指、大きな穴に他の4本の指を入れることを伝えるためです。使い始めたばかりの頃は、指を入れる場所を間違えてしまいがちです。そんなときは穴を池に、指を家族に見立て、『小さいお池にお父さん指がボッチャン。大きいお池にお母さん、お兄さん、お姉さん、赤ちゃん指がボッチャン』とお話をつくり促すなど、こどもにとってわかりやすい方法で教えてあげると楽しく覚えられるでしょう。


Step1 "ぱっちん切り"を覚えよう
コピー紙程度の厚さの紙を1.5~2cm幅の短冊状にカットした紙を用意します。保護者が両端を持ち、それを「ぱっちん」と切る練習です。慣れないうちは、はさみの開き方が不十分になりがちなので、まずははさみを開くことから。1回ずつはさみをしっかりと開き、刃先ではなく、根元まで紙を入れることもあわせて覚えましょう。


Step2 一人で切ってみよう
より少し厚い色画用紙を同じように2~3cmの短冊状に用意します。利き手にはさみ、反対の手に紙を持たせ、自分で切るように促してみましょう。コピー紙より少し厚い紙が扱いやすくオススメです。ここでのポイントは、紙を持つ手の位置。切る方向に手をそえると危険なので注意を払ってください。


Step3 チョキチョキと"連続切り"で切ろう
いよいよ"連続切り"。最初はコピー紙を7~8cmに切った短冊状の紙を保護者が両手でぴんと張って持ち、そこを切ります。1回切ったら、はさみを開き、もう一回「ちょきん」と切るように促します。始めのうちは、何度か"ぱっちん切り"をしますが、だんだんリズムを覚えて "連続切り"ができるようになってきます。そうなってきたら徐々に切る距離を長くしていきます。次の段階は、一人ではさみと紙を持って切るのにチャレンジ。少し厚みのある色画用紙などで試してみましょう。


Step4 線を切ってみよう
自由に切ることが出来るようになったら、保護者の方が、薄手の色画用紙に太目のマーカーで線を描き、その上をなぞって切ることにチャレンジします。直線から始め、少し曲がった孤を描いた線、蛇のようにくねくねした線とバリエーションをつけていきます。複雑な線や長い距離を切るときは、はさみを移動させるのではなく、紙を動かしていくことがコツです。続けるうちに上手になりますが、始めのうちははさみの位置を変えないで、紙を動かすことを意識するように言葉をかけてください。


Step5 いろいろな表現にチャレンジしよう
ここまで出来たら、もう"はさみマスター"です。自由にいろいろつくってみましょう。やがて制作が自由にできるようになったら、のりやセロハンテープと一緒に使うことも増えてきます。そのときに、刃先にべたべたしたのりがつきにくいはさみがオススメです。制作したい意欲をそぐことのないはさみを選んであげましょう。
はさみで気をつけること
紙切はさみと言っても刃物です。危険があることを認識しなくてはなりません。
歩いたり、動いたりしながら使わない。
切っているときはよそ見をしない。
持ち歩くときは刃の部分を手で握るように持つ。
不必要に触らない。
他人や自分に向けない。
子ども用のはさみは安全のために刃の部分にカバーがついているものが多くありますが、それでも上記の約束は守らせ、守れないときは使わせないくらいの毅然とした態度が必要です。