レポート
2016.04.12
「地域・子育て・働き方」の未来を語る
ママ起業家プレゼン『mirai』レポート
一般社団法人 日本女性起業家支援協会(日本ママ起業家大学)が主催する「ママ起業家フェスタmirai」が、3月24日、二子玉川ライズ iTSCOMスタジオ&ホールにて開催されました。会場では多彩なブースや講座、ステージが展開され、起業を考えるママをはじめ約1000人が来場しました。今回は、その中のメインイベントである6名のママ起業家によるプレゼンテーションの様子をレポートします。
- ビジネスを通して描く"未来"を語る
- "地域を育てる・地域と育つ"をコンセプトに、ママ起業家と地域に根ざす企業との連携により開催された「ママ起業家フェスタmirai」。トークショーなどの多彩なステージをはじめ、ママを支えるサービスやアイテムを紹介するブース、プチ講師養成講座、ヨガなどが体験できるスペースなどが展開され、多くの来場者でにぎわいました。
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- 今回のフェスタの目玉が、「ママ起業家プレゼンmirai」です。起業を目指すママの学びの場「日本ママ起業家大学(通称「ママ大」)」の現役ママ大生から選抜された6名が、「地域・子育て・働き方」をテーマに、自分のビジネスを通して描く"未来"を発表しました。
- ※(社)日本女性起業家支援協会代表理事・日本ママ起業家大学学長の近藤洋子さんへの過去のインタビュー記事はこちら。
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- 「彼女たちが語るのは、ただの事業計画ではありません。自分のビジネスを通してどのような未来を創りたいのか、そのビジョンを、熱い想いを、心を込めて語ります」。司会・進行役を務める日本ママ起業家大学の近藤洋子学長の紹介でスタートした「ママ起業家プレゼンmirai」。トップバッターは、ママ大3期生の荻原美奈さんです。荻原さんは、ママWEBトレーナー・起業専門トレーナーとして、WEBデザイナーを目指すママのコンサルタントを行っています。
- 自宅でできる"おうち起業"により、仕事をあきらめることなく、こどもの保育園問題や"小1の壁"問題を突破できます。私は、"おうち起業"の一つとして、ママWEBデザイナーが安定した収入を得られるようサポートしています。今後は、この"おうち起業"を一般化し、おうち起業家同士のコミュニティの場となる子連れで利用できるコワーキングスペースをつくることが、私の夢です」(荻原さん)
- 続いて登壇したのは、昨年秋に開校したママ大仙台校の1期生、Seads杜の都代表・美筋力コーディネーターの阿久津美和子さん。自身のスポーツ経験を活かし、身体を動かす楽しさを伝えるべく、ランニングスクールを中心とした身体づくり教室を展開しています。
- 「メタボ上位県である宮城県を健康県にするべく、インナーマッスルを強化して"美筋力"をつけることを提唱しています。今後は、身体だけでなく、心を上向きにして笑顔を生み出すお手伝いをしていきたいと考えています。こどもたちの未来を明るくするためには、こどもの笑顔、そして大人の笑顔が不可欠だと思うんです」(阿久津さん)
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- 事業計画書には書けない"夢"を語る
- 続く3人目は、ママ大4期生の松浦有香子さん。男性に特化したトータルリラクゼーションサロン「Luce(ルーチェ)」の開業を間近に控えたなかでの発表です。
- 「私は、3人のこどもを育てるシングルマザーです。これまでは、収入を確保するために、1日11時間もの時間を仕事にあてざるを得ませんでした。その経験から、働き方を見直し、起業を決意しました。私の描くゴールは、一人暮らしのお年寄りやシングルマザーなどがお互いに支え合うコミュニティをつくることです。頼ることの大切さを、伝えていきたいと思います」(松浦さん)
- 4人目として登壇したのは、ママ大5期生の渡邉五十鈴さん。ジュエリーデザイナー歴20年のキャリアを活かし、家族や大切な人への想いをかたちにするオートクチュールジュエリー工房「ring ring Ring」を立ち上げました。
- 「日々の感謝の気持ちを伝えたり新たな誓いをしたりするのが、"バウリニューアルデイ"。日本ではあまり知られていないこの日を広く浸透させ、大切な人への想いをジュエリーに込めて贈る習慣を浸透させるのが、私の夢です」(渡邉さん)
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- ビジネスを通して、ママだからこそできることがある
- 5人目のスピーカーは、ママ大仙台校1期生で、デザイナーからライター、フォトグラファーまで務めるうさくま堂デザイン・竹村由佳さん。夫の転勤に伴い移住が多く、試行錯誤の末、移住先で自分の人生をどう楽しむかを見いだした経験を語りました。
- 「一つ、積極的に人に会うこと。二つ、SNSを通して人と広くゆるいつながりを持つこと。三つ、仕事のブログを始めること。この三つで、私の生活はとても豊かなものになりました。今では、全国の人や企業からお仕事をいただき、目標月収を達成することができました。転勤族の妻だからと殻に閉じこもるのではなく、好きな仕事を続け、どこに住んでも楽しく充実した日々を送ること。これが、私の描く未来です」(竹村さん)
- 最後にステージに立ったのは、ママ大4期生で二児の母の浅枝真貴子さん。年間368万人といわれる台湾からの観光客をメインターゲットに、神社仏閣などの文化財に宿泊する"文泊"をプロデュースしています。宿泊先でのプログラムを地元のママたちが中心となって企画・運営するところに、ママならではの視点があります。
- 「グローバル化が進むこれからの時代には、さまざまな人と関わる真のコミュニケーション力が求められます。"文泊"に携わるママたちの姿を見て、こどもは日本人として大切なことや国際人としての感覚を自然と学んでいきます。ビジネスを通して、こどもたちの未来にもよい影響を与えられたらと願っています」(浅枝さん)
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- ビジネスの"未来"につながる場にもなる
- 6名の想いの込もった発表を受け、コメンテーターや審査員からは、ビジネスとしての目の付け所の鋭さ、将来性、優れたプレゼンテーションスキルなどについてコメントがあり、今後の展開に向けたアドバイスもありました。また、サポーター企業をはじめとする企業・団体からも、今後のビジネスにつながる発言がありました。
- 最後に、各サポーター企業・団体によるサポーター賞が発表され、「ママ起業家プレゼンmirai」は大盛況のうちに幕を閉じました。プレゼン終了後には、さっそく名刺交換をする姿も多く見られ、今回のプレゼンテーションが"未来"につながる場でもあったことが見て取れました。
- ちなみに、WorMo’のサポーター賞を受賞した浅枝さんには、「WorMo’の取材権」が授与されました。浅枝さんには後日取材をさせていただき、記事でご紹介する予定です。どうぞ、お楽しみに。
「ママ起業家フェスタ」
◆主催:一般社団法人 日本女性起業家支援協会
◆サポート企業・団体:西武信用金庫、レナ・ジャポン、西友、NPO法人 サクセス、話し方研究所、ビジネスエアポート、WorMo’、東急電鉄、iTSCOM、ファインコート青葉台 ザ・プレミア
◆後援:経済産業省 関東経済産業局、日本政策金融公庫
文・撮影/笹原風花