仕事の効率化
2018.02.28
生産性を上げるのは「成果直結型」の頑張り
仕事の効率化2:ToDoリストの項目を洗い直す
ToDoリストを実行する前に
いったん立ち止まる
毎日の業務にとりかかるとき、「少しでも効率的に仕事を進めたい」「生産性を上げたい」と考えて「ToDoリスト」を作成し、リストアップした項目を上から順に実行している人は多いでしょう。
でも、本当に効率化を目指すなら、ToDoリスト作成に必ず加えたいプロセスがあります。「着手前にいったん立ち止まること」です。立ち止まるのは、リスト化した一つひとつの項目について優先順位づけや仕分けを行うためです。
第1回で紹介した「忙しさの7つのタイプ」で自分はタイプ4「仕事が堂々めぐりして、前進していないと感じることがある」に当てはまると感じた人には、特にお勧めしたい方法です。
「とにかく」「とりあえず」
「念のために」項目を決めていないか
なぜこのプロセスが必要かといえば、仕事の現場では、「とにかく」「とりあえず」「念のために」という枕詞のもとにToDoリストの項目決定が行われることが多いからです。「考える前にとにかく動こう」や「念のためにこれもやっておこうか」といった決め方だと作業にムダが発生しやすく、効率化はおろか、生産性を下げる原因ともなります。私はこの状態を「TDK(遠回り・堂々めぐり・空回り)」と呼んでいます。
やみくもに頑張るより、目標により速く近づく努力をした方が、時間と労力の節減になり、より質の高い仕事につながります。「頑張る=時間をかける」という概念を捨てて、どこに的を絞って時間をかけるかを考えたうえで実行することが、効率的かつ生産性が上がる適切な努力のあり方だと私は考えます。
「成果に直結するか」を基準に
今日取り組むべきタスクを決める
ToDoリストの項目を仕分けするときは、「この項目に取り組むことによって、最小限の時間で最大限の成果を上げられるか(=効率化と生産性アップにつながるか)」、「この項目は仕事の目標達成のために必要か」というポイントからそれぞれの項目を検討し、かける時間や取り組む順序を決めていきます。
その項目が「仕事の完了・成功」という目標に直結する仕事なら、優先順位を高めて時間をかけて取り組みます。「とにかく」「とりあえず」「念のために」という観点から割り出した項目は、本当にやるべきかどうかを再検討し、場合によっては「今日はやらない」ことをチョイスします。
仕事に優先順位をつけ
ToDoリスト上で順位を「見える化」する
「成果に直結するか」を基準にそれぞれのタスクについて検討したら、どのような優先度で取り組めばよいかが一目でわかるように「見える化」します。ToDoリストが紙の場合は、優先順位の高いタスクと低いタスクを蛍光ペンで色分けし、やらないと決めたタスクは斜線で消すなどしておくとよいでしょう。スマホのアプリなどを使っている人も、文字の色を変えたり重要度の高いタスクに★マークをつけたりしておくのがおすすめです。
意識の持ち方次第で
仕事は効率化できる
もちろん実際には、「上司から頼まれたタスクだから先にやらなければ」「この仕事はタイムリミットが近づいているから優先順位を上げざるを得ない」といったこともあるでしょう。
しかし、日々仕事を始める前に「これは適切な努力か」「この仕事によって目標に近づけるか」と常に自分に問いかけることを積み重ねていけば、必ず効率のよい働き方に近づくことができます。
鈴木 進介 (Suzuki Shinsuke)
経営コンサルタント。独自の思考整理術を構築し、「思考の整理家」として、現在では一部上場企業からベンチャー企業までコンサルティング実績は100社以上。講演会や人材教育の分野でも活躍する。『1分で仕事を片づける技術』、『1分で頭の中を片づける技術』(共にあさ出版)など著書多数。