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2020.11.10

30代より50代のほうがオンラインコミュニケーションマナーに寛容?

細かい挨拶や文面のマナーよりも重要なポイントとは

ビジネスにおいて文字によるコミュニケーションの機会が増え、近年のビジネスパーソンにはメールやチャットのマナーが求められている。ワークスモバイルジャパン株式会社は2020年4月、『新入社員のチャット利用に関する上司の意識調査』を実施した。

働き方改革でテレワークが進めば、これまでは毎日顔を合わせて対話をしていた社員同士でも、メールやチャットを利用した"文字のコミュニケーション"が増える。特に、タイムラグが少なくスピーディーなやり取りができるチャットは、これから急速に浸透していく可能性が高い。

しかし、対面の礼儀・礼節に厳しい日本の企業文化に、オンラインコミュニケーションはマッチするのだろうか。特に、年齢層の高いビジネスパーソンの意識について懸念する声が多く聞かれている。

『新入社員のチャット利用に関する上司の意識調査』は、30代~50代のビジネスパーソン875人を対象にして実施。社内におけるビジネスチャットについて、メールでは一般的なマナーである「お疲れ様です、お世話になります」などの挨拶の記載は、社内チャットでも必要かどうかを聞いたところ、30代・40代よりも50代のほうが「不要/どちらでも良い」と考える傾向が強く、30代と50代では2割もの意識差があった。年齢が高くなるほど寛容になるというのは、意外な結果なのではないだろうか。

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社内チャットにおける「部署・役職・名前」の記載についても必要性を聞くと、やはり50代のほうが30代・40代よりも「不要/どちらでもよい」と回答した人が多かった。こちらも年齢が上がるほど寛容になり、30代と50代では3割もの意識差がある。

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若い世代が気にする以上に上司は、意外にも高い年齢ほどチャットマナーに寛容だということがわかったが、外してはいけないポイントもある。チャットで済ませてよい内容と、対面の相談や電話連絡が望ましい内容の線引きを認識しておくことだ。

新入社員から上司への報告・連絡・相談について、「チャットで行って良い、行うべきでない内容を教えてください」という質問に対する回答の結果(下図)から読み取ってみよう。

「直行・直帰の連絡」や「当日の欠勤報告」など勤怠に関わる内容は、チャットではなく電話連絡が望ましいと推察される。やり取りのキャッチボールが複数回発生する各種相談については、対面でのコミュニケーションのほうが円滑に進むだろう。チャットはメールよりもタイムラグが少ないといわれているが、相手が多忙ですぐに読めないケースもあるので、緊急性の高いものについては、対面または電話を使ったほうが低リスクであると考えられる。

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調査の結果から、文面の形式的なことよりも、チャットが適切なのか、電話連絡や対面のコミュニケーションが適切なのかの見極めが重要であることがわかった。

年齢が上がるほど挨拶や署名のマナーに寛容だという結果については、日本では年齢が高いほど役職が上であるケースが多いため、若い世代ほど「上司がどう感じるか」を懸念して、丁寧なコミュニケーションを心がけているとも推察される。

それに対して上司は、部下とのコミュニケーションを円滑にするためにも、社内では細かいマナーなどに対して寛容であろうとする人が少なくないのかもしれない。しかし、チャットによるコミュニケーションが社外にまで浸透すれば、年齢層の高いビジネスパーソンのチャットマナーに対する意識も変化する可能性がある。対外的なコミュニケーションにおいては"相手に失礼のない振る舞い"が大前提であり、上司の目も厳しくなると考えられるため、最低限の文面のマナーは、身につけておくほうが良いだろう。

チャットはスピーディーかつ便利で、これからのビジネスシーンには欠かせないものになるだろう。オンラインで完結することは多いので、業務効率アップのためにもチャットは大いに役立つ。

しかし、対面や電話などダイレクトなコミュニケーションでこそ得られる副次的なメリットもあるし、近くにいるのにチャットだけでコミュニケーションを図ると、「嫌われているのではないか」と不安に感じるケースもあるようだ。全てをオンラインで済ませようとせずに、双方のメリットを活かしながら、社内コミュニケーションを充実させていくと良いのではないだろうか。


【出典】ワークスモバイルジャパン株式会社 『新入社員のチャット利用に関する上司の意識調査


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作成/MANA-Biz編集部