ライフのコツ
2021.01.20
ビジネス会話には国民性や歴史の把握が必須?
現地で飛び交う教養としてのリアルなジョーク
ビジネスを円滑に進めるためには、スムーズなコミュニケーションが欠かせない。その潤滑油として重要な役割を果たすのが、いわゆる「ビジネス教養」だ。相手が「おっ!」と思うような話題を出すことで、興味や関心を引き、ビジネス交渉がしやすくなるといったメリットも。今回はEU圏で使える「ビジネス教養」としてジョークについてレポートする。
有名な「沈没船ジョーク」には
スマートな切り返しを
各国の国民性を的確に表現した有名なジョーク例として、「沈没船」ジョークがよく知られています。豪華客船が沈没しかかっていて脱出ボートの数が足りず、乗客を海に飛び込ませようと船長が各国の人それぞれに違った言葉を言い放つのです。EU諸国に対しては次のようになります。
フランス人に対して...「決して海には飛び込まないでください」
イギリス人に対して...「紳士はこういうときに海に飛び込むものです」
ドイツ人に対して...「規則ですので、海に飛び込んでください」
イタリア人に対して...「海で美女が泳いでいますよ」
そして、日本人に対しては...「みなさんはもう飛び込みましたよ」
このように国民性や習慣をネタにしたジョークはよく話題にもなるため、EU各国でビジネスする際には、外交感覚を保ち会話を円滑に進めるためにも、教養としてのジョークを受け入れ、一緒に楽しむぐらいの心構えがあるといいでしょう。
日本人もネタにされることがありますが、「戦争には負けたけど自動車販売では世界一」というように切り返すなど、自分なりのネタづくりも教養の一つととらえ、日々を増やしておくのもよいでしょう。
アメリカ発のソーシャルニュースのディスカッションサイト『Reddit(レディット)』はニュース記事や画像、コメントの投稿サイトですが、内容を見ると各国の歴史や生活習慣などのトリビアがよくわかります。たとえば「イタリア人のように時間を守れ」といったような逆説的なジョークをはじめ、EU諸国についておもしろいネタが載っているので、参考までに見ておくといいでしょう。
政治や宗教に関連するテーマはハードルが高いですが、歴史や国民性、食習慣、スポーツなどについてある程度知っておけば、相手のジョークの内容も理解できるようになります。そうしているうちに、自分の方から気の利いたジョークを言えるようになるかもしれません。
小林 磨(Kobayashi Osamu)
1989年にヤマハ発動機(株)に入社し、1995年からオランダ、ドイツ、フランスなどの欧州本部や現地代理店に駐在員として勤務。通算60以上の国と地域を訪問し、現地の販売店やユーザーに向けて主にマリン商材の取引業務に携わる。2016年からロシアのモスクワに在住してヤマハ・ロシアの社長を務め、現在に至る。EU諸国駐在時には、自動車やバイクで膨大な距離の欧州内移動を体験する。
グローバルママ研究所
世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。https://gl-stage.com/service/mama/