トレンドワード

2022.02.03

サブスクリプションとは?レンタルやリースとの違いは?

知っておきたいトレンドワード6:サブスクリプション

音楽や動画配信サービスで主流になりつつあるサブスクリプション。デジタルコンテンツだけでなく衣料、自動車、家電、家具など多分野に広がっているが、レンタルやリースと何が違って、どんなメリットがあるのか?

サブスクリプションとは

サブスクリプションとは、製品やサービスを一定期間利用する契約を結び、定額制ないし従量制で料金を支払う仕組みを言います。英語の「subscription」が、もともとは新聞や雑誌などの予約購読を意味する言葉だったように、古くから新聞・雑誌の定期購読や賃貸住宅、電気・ガスなどの公共料金、携帯電話などが、サブスクリプションサービスとして存在していました。

それが、近年の「所有」から「利用」への消費者の志向の変化や、インターネットの高速大容量化などに伴ってさまざまな事業者が売り切り型のビジネスモデルからの転換を図る中で、まずはソフトウェアや音楽・動画配信サービスなどに取り入れられ、改めて注目される仕組みとなりました。

日本では「サブスク」という略称の定着とともに、サブスクリプション=定額制のサービスと理解されていることも多いですが、料金体系は定額制、従量制を問いません。

むしろ、ビジネスモデルとして重視されているのは、「いかにして顧客満足度を高め、継続的な収益を得られるか」ということです。安定的な収益を得るには常に高い顧客満足度を実現し、解約率を低く抑える必要があります。そのために、有料会員だけの特別サービスが受けられる、契約期間中に商品やサービスがアップグレードされる、嗜好に合った商品やコンテンツを薦めてもらえるなど、利用者のニーズに応じたに付加価値の高いサービスに設計・進化することがビジネスとしての成功のカギと見られています。




リースやレンタルとの違い

なお、類似する消費形態・ビジネスモデルに、「リース」「レンタル」「リカーリング」などがあります。サブスクリプションと明確に区別できない場合もありますが、おおむね次のように整理できます。

リースとの違い

リースは、比較的高価な設備や製品を年単位など比較的長期の契約で貸借する仕組みです。途中解約ができなかったり、解約に違約金がかかったりする点が、いつでも解約できるサブスクリプションと異なります。


レンタルとの違い

レンタルは、特定の商品を比較的短期に貸借する仕組みです。単発の貸借の場合はレンタル、長期的に繰り返し貸借を行う場合はサブスクリプションの仕組みが取り入れられている場合があります。例えば、月額の料金プランに応じて複数点の衣類をレンタルできる「airCloset(エアークローゼット)」は、サブスクリプションの仕組みを取り入れたレンタルサービスです。




サブスクリプションのメリットとデメリット

サブスクリプションを利用者側から見ると、次のようなメリット・デメリットがあります。


メリット

初期費用を抑えられる

例えば、音楽配信サービスや動画配信サービスの場合、CDやDVDなどを購入するよりも安い利用料でコンテンツを好きなだけ視聴できます。また、無料お試し期間を設けているサービスもあり、お試し期間中に合わないと感じた場合、費用負担なく解約することができます。

モノが増えすぎる心配がない

デジタルコンテンツの場合、CDやDVDなどの物品を所有することはありませんし、自動車、衣類、家具、家電などの場合も、不要になれば返却したり、ほかの物品と交換したりすることができます。例外は、食品や化粧品などの宅配サービスです。

自分の嗜好などに合った商品やコンテンツに出合える

利用履歴を分析して利用者の嗜好に応じた商品やコンテンツをリコメンドする、利用前アンケートや使用後の感想から目利きが次の商品やコンテンツを選んで提供するといった付加価値を備えたサブスクリプションサービスもあります。その場合、嗜好に合った商品やコンテンツに出会える可能性が高まります。

いつでも解約できる

サービスによっては解約に条件が設定されている場合もありますが、いつでも解約できるものが多いです。



デメリット

利用しなくても料金が発生する

定額制のサービスの場合、契約期間中はサービスを利用しなくても料金が発生します。

解約すると手元に商品やコンテンツが残らない

とくにソフトウェアや音楽・動画などのデジタルコンテンツのサブスクリプションサービスの場合、解約すると、それまで利用・視聴できていたものができなくなります。

提供側の都合で利用不可能になるリスクがある

契約期間中であっても、提供側の都合でサービスが停止されるリスクがゼロではありません。




サブスクリプションサービスの具体例

代表的なサブスプリプションサービスや、近年、利用が広がっているサブスクリプションサービスには、次のようなものが挙げられます。


音楽配信

「Spotify」「Apple Music」「Amazon Music」「LINE MUSIC」など、所定の月額料金を支払うことで、数千万曲から好きなだけ楽曲を聴くことができるサービスが数多く展開されています。



動画配信

「Amazon Prime Video」「Netflix」「Hulu」「DAZN」など、所定の月額料金を支払うことで、映画やどさまざまなジャンルの映像コンテンツを好きなだけ視聴できるサービスが数多く展開されています。



ソフトウェア、アプリケーション、クラウドサービス

顧客関係管理ツール「Salesforce」、デザイン・動画編集アプリのクラウドサービス「Adobe Creative Cloud」、マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft 365」など、多くのソフトウェアやアプリケーション、クラウドサービスがサブスクリプション形式で提供されています。



衣料

airCloset(エアークローゼット)

月額の料金プランに応じて複数点の衣類をレンタルできるサービス。事前に回答した服の好みや、レンタルした服の感想をもとに、毎回プロのスタイリストが次の衣類を選びます。

Yclean(ワイクリン)

月額の料金プランに応じて、1カ月分(20着)のレンタルとクリーニングをセットで行うワイシャツ宅配サービスです。



その他(自動車、家電、家具など)

KINTO ONE(キント ワン)

契約期間に応じて新車を借りられるサービスです。月額利用料には、車両代金だけでなく、任意保険や自賠責保険、点検、税金なども含まれます。契約から一定の期間が経過すれば、契約期間中に中途解約よりも割安な手数料で別の車種に乗り換えることもできます。

subsclife(サブスクライフ)

新品の人気ブランド家具やデザイン家電を、3〜24カ月の期間レンタルできるサービス。レンタル期間中は、商品ごとに定められた月額利用料を支払います。レンタル期間終了後は、購入、継続、返却のいずれかを選択できます。

bloomee(ブルーミー)

花の定期宅配サービス。そのエリアを担当する生花店が選んだ料金プランに応じたボリュームの花が、毎週または隔週で届けられます。


作成/MANA-Biz編集部