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BPOとは?メリット・デメリットから見えてくる、進化するアウトソーシングの形
知っておきたいトレンドワード7:BPO
アウトソーシングの一形態として注目されている「BPO」。生産性向上やコア業務への経営資源集中のため、BPOサービスの活用が進んでいるけど、従来のアウトソーシングと何が違って、どんな業務を外部委託できるのか?
BPOとは
BPOとは、「Business Process Outsourcing(ビジネス プロセス アウトソーシング)」の略。企業活動における業務プロセスの一部を、業務の企画・設計から実施までを一括して外部に委託することです。 BPOはアウトソーシングの一形態ですが、従来のアウトソーシングが業務の一部、とくに、すでに定型化されている業務を委託するケースが多いのに対し、BPOは、対象の業務プロセスについて、企画・設計から実施までをまるごと委託する点に特徴があります。BPOサービスを提供する事業者も、それぞれの専門性を持ってまるごと受託できる点を強みとして打ち出しています。 BPOサービスの市場規模は年々増えており、労働人口の減少などを受け、自社の経営資源をコア業務に集中させることなどを目的にBPOサービスの活用が広がっていることがうかがえます。
BPOのメリット
BPOサービスを活用するメリットには、次の3つなどが挙げられます。
1.競争力強化
自社が強みを持たない業務プロセスをBPO事業者に委託することで、コア業務に経営資源を集中させることができ、生産性の向上や競争力の強化を図ることができます。
2.業務改善、顧客満足度向上
自社よりも優れた専門性を持つBPO事業者に委託すれば、自社でその業務プロセスを行っていた際には見えなかった課題やプロセスのムダの発見が期待できます。それが業務改善や、より優れた業務品質の実現、顧客への提供価値向上につながることも期待できます。
3.コスト削減
BPO事業者は、通常、複数の顧客の業務を受注し、受託した業務プロセスの繁閑に応じて人員数を調整するため、委託元企業が自社内にその業務プロセスを残した場合の人件費などの固定費に比べて委託費を安く抑えることができる場合があります。日本国内よりも安価に労働力を確保できる国のBPOサービスを活用する場合も同様です。
BPOのデメリット
一方、デメリットには、次の3つなどが挙げられます。
1.社内にノウハウが蓄積しない
業務プロセスを一括して委託することによって、対象業務のノウハウを社内に蓄積することが難しくなります。そうなると、一度BPOに移行した業務プロセスを社内に戻すことになった際にスムーズにいかない場合があります。そうならないために、委託先のBPO事業者と定期的に委託した業務プロセスについての情報交換を行うなど、密な連携を図ることが必要です。
2.情報漏洩のリスクに備える必要がある
BPOサービスの性質上、BPO事業者に個人情報や財務情報、事業機密にかかわる情報などを共有する場合があります。それらの漏洩が起こらないよう、BPO事業者のセキュリティ対策の確認が必要です。セキュリティ品質基準を満たしたBPO事業者を選ぶのも対策の1つとなるでしょう。
3.委託に向けた準備期間とコストがかかる
BPO化にあたっては、委託先のBPO事業者との引き継ぎや打ち合わせに時間やコストがかかります。
BPOサービスを活用できる業務プロセス
BPOサービスを活用できる業務プロセスは、次に挙げるように、コア業務・非コア業務を問わず多領域に広がっています。 ・間接業務:人事、福利厚生、総務、経理など ・直接業務:購買・調達、営業、マーケティングなど ・コールセンター業務(コンタクトセンター、ヘルプデスクなども含む) ・情報システム開発、システム運用管理 ・物流 いずれの場合も、BPO化の検討にあたっては、その業務プロセスの社内での位置づけ(例:競争優位性を確保するために社内で持っておくべき業務プロセスかどうか/自社に強みのある業務プロセスかどうかなど)や、BPO化の目的、コストなどを整理することが重要と言えるでしょう。また、BPO事業者を選定する際には、BPOの高い効果を得るために、その業務プロセスに関する専門性が高い事業者を選ぶことも重要でしょう。