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Z世代とは?これからの社会・経済に影響を与える世代の特徴
知っておきたいトレンドワード14:Z世代
若い世代を表す言葉としてメディアやマーケティングの場面によく出てくる「Z世代」。具体的に、どの年齢層を表す言葉なのか?また、Z世代の特徴や価値観、前後の世代との違いとは。
Z世代とは
「Z世代」とは、1990年代後半から2010年代の序盤ごろに生まれた人々を指す言葉です。アメリカでこの世代を「Generation Z」と呼ぶようになったことから、日本でも「Z世代」という表現で呼ばれるようになりました。 生年の範囲は厳密に定まっておらず、1995年ごろ〜2012年ごろとする場合や、より短い範囲で定義する場合もあるようです。
「Z」の由来
なぜ「Z」というアルファベットで呼ばれているのでしょうか?それは、かつてアメリカで、1960年代半ば〜1980年ごろに生まれた人々を「Generation X/X世代」と呼ぶようになったことに由来します。アルファベットの「X」は、「未知のもの」という意味を込めて使う場合があります。上の世代にとって未知の価値観・考え方を持つ世代と見られていたようです。 その後、X世代に続く1980年ごろ〜1990年代半ばに生まれた人々を「Generation Y/Y世代」と呼んだことから、次の1990年代半ば以降に生まれた世代は「Generation Z/Z世代」と名づけられました。 最近では、ポストZ世代として、2010年代序盤以降に生まれた人たちに対して「Generation α(アルファ)/α世代」という呼称が使われ始めています。「Z」はラテン文字の最後にあたることから、続く世代にはギリシャ文字の最初の文字である「α」をあてたとされています。
Z世代の特徴
Z世代は、価値観や考え方などに次の特徴があると言われています。
デジタルネイティブである
Z世代が生まれ育った90年代後半〜2010年代は、1995年にインターネット接続機能が搭載された「Windows95」発売、2001年に主要電気通信事業者がADSLサービスを開始、2003年に家庭向け光回線が登場、2007年にiPhone発売、「Facebook」「twitter」のサービス開始と、インターネットとその接続端末であるパソコンやスマートフォン、さらには各種SNSが爆発的に普及していきました。 すなわち、Z世代は、生まれたときからインターネットが利用可能な環境にあり、成長とともにスマートフォンを使いこなし、コミュニケーションツールとしてSNSに親しんできたデジタルネイティブです。
社会問題への関心が高い
幼い頃から、地球温暖化による異常気象や、東日本大震災のような大きな自然災害を目の当たりにしてきたこと、また、学校教育の中で環境問題や社会問題、そしてSDGsについて学んでいること、さらには、これらに関する情報をインターネットで気軽に調べられる環境にいることなどから、上の世代に比べて社会問題への関心が高い傾向にあります。
人が多様であることは当たり前
幼いころからインターネットを介して世界中の情報にアクセスできる環境に置かれ、SNSなどを通して多様な価値観・考え方に触れてきたことから、人の価値観や考え方、働き方、性的指向などは多様であることを当たり前のこととして捉えている傾向にあります。そして、違いは受け入れて尊重し合うものだという考えを持ち、個としての自分らしさを大切にする傾向にもあります。
無駄な出費を好まない
2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、また、終身雇用の崩壊など、不安定な経済・社会情勢を目の当たりにしていることなどから、無駄な出費を好まない、所有に対する強いこだわりがなく、他者とモノをシェアすることにも抵抗感が少ないなどの傾向があります。
ミレニアル世代(Y世代)との違い
Z世代の1つ上の世代には、「Y世代」がいます(1980年ごろ〜1990年代半ばに生まれた世代)。その一部は、新千年紀(ミレニアム)を迎える2000年前後ないしそれ以降に社会進出する世代という意味で、「ミレニアル世代」とも呼ばれています。 Y世代は、インターネットの普及やSNSの拡がりを目の当たりにしてきたデジタルパイオニアと言える世代です。また、消費傾向として非日常や希少な体験にお金を使う「コト消費」を「モノ消費」よりも重視する傾向にあります。Z世代も同様に「モノ消費」よりも「コト消費」を重視する傾向がありますが、Z世代は、非日常の体験というよりは、商品やサービスの背景にあるコンセプトやストーリーに共感したものにお金をかける傾向にあります。 X世代、Y世代、Z世代、α世代それぞれの、インターネットとの親和性や消費に対する価値観のおおまかな特徴は、次の表のようにまとめられます。
Z世代が注目される理由
Z世代は、次の2つの理由から注目される存在になっています。
今後の社会・経済・消費のメイン層になる
Z世代の多くは、これから社会に出ていきます。日本においては、少子高齢化によりZ世代よりもシニア層の方が人口は多いですが、世界的に見ると、全人口に占めるZ世代の割合は高く、また、今後購買力が他の世代を上回ることも予測されています。マーケティング分野においては消費のメイン層として、また、他分野においては、社会・経済に与える影響が大きな層として注目されています。
上の世代とは異なる価値観を持っている
先述したように、Z世代は、上の世代が「新しい」と感じる価値観や行動様式を持っています。そのため、マーケティング分野においては従来のマーケティング手法が通用せず、消費のメイン層と考えたときに、理解すべき対象として注目されています。また、社会や消費のあり方を大きく変える存在としても注目されています。