研修の準備

研修担当者に必要なスキル5:「参加者」「会場備品」「講師」に気を配る

段取りのよさは
受講者満足度に直結する

研修に参加したら、ホワイトボードのマーカーが出なくて講師と研修担当者があたふたしていた。前の人の影になってスライドの投影画面が見えなかった。こうしたちょっとしたことで、研修に不満を感じたことはないでしょうか。

しかし、いざ自分が準備をする役になると、パーフェクトにするのは難しいものです。今回は、研修担当者に必要な「運営調整スキル」のうち、「研修準備」について、「参加者」「会場備品」「講師」の3つの視点で見ていきます。

研修の意図を
本人にも上司にも理解してもらう

まずは「参加者」。研修開始時間になっても揃わない、事前課題をやってこない、途中で携帯電話が鳴る......。運営側からすると、うちの会社の受講生はなんてルーズなんだろうと思うこともあるでしょう。しかし、その原因は、運営側の準備不足や研修意図をうまく受講者に伝えられていないことにあったりします。

受講生とのやりとりの大半はメールで行うことが多いと思いますが、メールだけで研修の狙いやルールを正しく伝えることは難しいものです。コツとして、研修の案内メールの冒頭(特にメールを開いてスクロールしないでも内容が目に飛び込んでくる部分)に大切なこと、たとえば「研修の狙い」、「事前課題」、「守ってほしいルール」などは書いておくようにしましょう。添付資料を付ける場合は、メールの件名に「添付資料あり」と入れます。

また、受講者の上司にも研修の意義や学んでもらうスキルについて簡単なメールを送るようにしてください。研修よりも仕事を優先させようと、部下が研修に出席することに難色を示す上司もいるので、「もし欠席される場合は本部長の承認を取ってから欠席の旨ご連絡ください」などと、上司より上の人の判断が必要であると添えるのも一案です。 そして、研修1週間くらい前にはリマインドメールを送りましょう。

備品はチェックリストで事前確認
会場は可能なら社外がおすすめ

会場の選び方の視点ですが、「形状・広さ」、「設備・備品」、「飲食・休憩」の3点で見ていきましょう。

まず、「形状・広さ」ですが、これは実際にテーブルをレイアウトした形で判断する必要があります。スクール形式には十分な広さでも、6人チームの島型に並べたら通路が狭くて講師が通れず奥のチームの様子を見に行けない、なんてことがよくあります。オブザーブ席、荷物や冬場のコートを置く場所にも配慮しましょう。

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「設備・備品」は、事前にチェックリストを用意して下見をするとよいでしょう。プロジェクターはあるか、ケーブルはパソコンまで届くか、マーカーは出るか、等々。また、プロジェクターやマイクなどの機器は必ず動作確認を行いましょう。プロジェクターを使う場合は、電気を消さなくても投影画像が見えるか、部屋の前だけ電気が消せるか等も確認しましょう。

「飲食・休憩」は、昼食や懇親会等がどこまで許容されているかを確認します。指定業者にしかケータリングが頼めない会場もありますので、注意が必要です。

ちなみに、研修会場は自社の会議室ではなく、外の会場を使うのがおすすめです。というのも、社内だとどうしても受講者の気が緩み、遅刻する人が増えたり、研修全体が盛り上がらなかったりするからです。外に出るとなると、やはり気持ちは変わるものです。

講師とは、テキストの準備、配布のタイミング、プロジェクターやホワイトボードの利用、文房具などの備品、会場到着時間、席の配置や席順などを確認します。

また、資料は事前に配っておけば楽と思いがちですが、早く会場に到着した受講生が先に見てしまい、研修中の進度やチームの空気にばらつきが出ることもあるので、配布タイミングは講師としっかり確認するようにしましょう。



下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)


2018.10.17
作成/コクヨ

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