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2022.03.04

エシカルとは?持続可能な社会をつくるために実践したい考え方

知っておきたいトレンドワード8:エシカル

今、社会で広がりつつあるエシカル消費。SDGsとも関連し、毎日の消費行動の見直しが必要になっているけど…エシカル消費とは具体的にどんな消費行動なのか? 今すぐ始められるエシカル消費とは?

「エシカル」消費とは?

エシカル(ethical)とは、「道徳的な」「倫理にかなった」という意味の形容詞です。近年、この言葉が「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方」というニュアンスでとらえられ、この考え方に基づく行動や物事が、エシカル消費、エシカルファッション、エシカル商品などと呼ばれるようになっています。

中でも今、広がりを見せているのがエシカル消費です。エシカル消費とは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のこと(消費者庁HPより)。
例えば、チョコレートの原料となるカカオや、衣類の原料となる綿花の栽培・生産過程などでは児童労働が行われている現状があります。この実態に配慮せずに「安いから」と購入するのではなく、サプライチェーンを見直して児童労働根絶に取り組む企業の商品を購入するのも、エシカル消費と言えるでしょう。




なぜ今、エシカルなのか

エシカルという考え方は、1989年にイギリスで創刊された雑誌『Ethical Consumer』から始まったと考えられています。倫理的に正しくない行動をとっている企業の商品を買わないために、どの企業・商品をボイコットすべきかの判断材料を提供する雑誌でした。

そして今、この考え方が注目されているのは、私たちが生きる社会を持続可能なものにしていくために実践していくべきことだと考えられているからです。

私たちは、地球温暖化や異常気象、貧困、食糧不足、水資源の不足、経済・社会的格差の拡大など、持続可能な社会をつくっていくための多くの課題を抱えています。それらの課題の解決に向けてSDGs(持続可能な開発目標)が設定されていますが、エシカルという考え方やエシカル消費は、SDGsを達成するためのいち手段として注目されています。

とくにエシカル消費は、17あるSDGsのゴールのうち12番目の「つくる責任 つかう責任」(持続可能な生産消費形態を確保する)の達成につながっていくと考えられており、社会的課題の解決を考慮したり、社会的課題に取り組む事業者を応援したりしながら消費活動を行うことが、消費者に求められています。

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エシカルな行動や、エシカル消費の具体例

エシカルな行動やエシカル消費は、次のような行動で実践できます。

フェアトレード製品を購入する

開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組みがフェアトレードです。このフェアトレードによってつくられた製品を購入するのも、エシカル消費のひとつです。

コーヒーやカカオ、コットン製品、バナナ、スパイス、ジャム、ワイン、切り花などにフェアトレード製品があります。世界的に認知されているフェアトレードの認証ラベル「国際フェアトレード認証ラベル」の付いた製品を購入するとよいでしょう。

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地産地消

地元の食材を選ぶことや、地元のお店で商品を買うことは、地域の振興や、流通コストの削減、輸送距離の短縮によるCO2削減につながります。


再生可能エネルギーで発電した電力を購入する

小売電気事業者の中には、再生可能エネルギーなど環境負荷がより低い方法で発電した電力を販売している事業者があります。


エシカルファッションを購入する

環境に負担がかかりにくい素材の使用や、人権を尊重した方法での生産など、環境問題だけでなく、労働問題や社会問題にも配慮して素材選びから生産、販売を行っているエシカルファッションの購入も、エシカル消費の一つです。
例えば、H&Mでは、オーガニックコットンやリサイクル・ポリエステルなど、サステナブルな素材を50%以上含んだ製品に素材の名称が割合とともに表記されたグリーンタグを付けています。


資源保護の認証がある商品やCO2削減の工夫をしている商品を購入する

木材製品や紙には、自然環境や労働者、先住民族の権利、地域社会との関係や文化に配慮して適切に管理された森林からの生産品を認証する制度、FSC認証があります。また、水産物には、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業に対する認証制度、MSC認証があります。これらの認証を得た商品を購入するのもエシカル消費の一つと言えます。

FSC認証を受けた製品には「FSCラベル」が、MSC認証を取得した漁業でとられた水産物には、MSC「海のエコラベル」が付いています。

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食品ロスを減らす行動をとる

食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず廃棄された食品のこと。日本で生じている食品ロスは年間約600万トンで、国連世界食糧計画(国連WFP)が飢餓や紛争などが生じた国々の支援に提供した食料の総量を大きく上回ります。
必要なものを必要な分だけ購入する、すぐに食べるものは商品棚の手前に置いてある消費期限や賞味期限が近いものを選ぶ「てまえどり」をすることなどが、食品ロスを減らすことにつながります。


作成/MANA-Biz編集部